進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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合格すればいいの?
2025.02.08
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少子化であるし、もともと少人数制の指導をして来たからウチの塾はまず受験で落ちることはない。確率的には10年に1人くらいである。
その場合....中学校の運動部で非常にガンバって県大会まで進んだレギュラー部員で学業成績はそんなに悪くはない生徒だ。性格だって明るい...しかし唯一...私が気になるところと言えば「部活最優先」であることだ。練習に練習を重ねて試合で勝ち進むことがすべてに優先している。家族も子供が部活に熱心であるがゆえに理解があり、応援している。わが子が試合に勝てばわがことのように喜び、負けた時には家庭は火が消えたような暗い悲しさが漂う....子供への愛のゆえだ。
私も長男が運動系で中高を全力で部活を頑張っていたからその気持ちはよくよくわかる...痛いほど理解できる。でも....部活の延長は有っても高校3年までだ。そのあと問われるのは大学に進学するなら十分な学力があるのか?就職であれば会社の求める一般教養があるのか?...である。
中学の3年生ということで考えると、既に滑り止めの私立高校の入試はおわり来週の合否発表(実は合格発表とは違う)を待つばかりだ。私立高校は生徒数の激減で存立が危ぶまれるくらいだから伊豆なら.....実際のところ日大三島と暁秀高校以外は全員合格するだろう。
問題は公立(国立の沼津高専以外)の県立高校だ。
募集定員に足りなくても県立は困らないから....昨年まで定員割れだったから大丈夫だろうと考えていると、ゴソッと不合格にする。スポーツ枠での受験にこの場合が多い。
中学の部活の顧問と受験先の高校の教員が仲がイイから大丈夫。受験前後に志願校の部活に招待されて先輩と入学前に部活をやった...本人もその高校に入学したように錯覚していた....
ここで運命は2つにわかれる。
結局において高校入試の5教科の筆記試験で高校の求める学力が不足していて不合格。
この生徒は併願校の私立高校へ進学することになる。
もう一つは「合格」だった場合だ。
家庭も本人もスポットライトがあたったような晴れ晴れとした気持ちである。しかし、高校という所は正直言って残酷な組織でもある。それは、各教科に求められるだけの勉強が絶対に必要だと言うこと....文科省の定める基準に満たない単位の生徒は進級できず卒業もできないということだ。今の高校は昔と違って各教科の勉強は、教員の出す課題に対しての「リポート+小テスト+中間期末の試験」の総合で単位を認定するかを決める。
部活を目いっぱいやって帰宅...疲れ切ってしまい夕食...寝る。
これにゲーム・LINEで友人との話...まさかの恋愛ともなるとどうなるのか?
要するに「何が何でも勉強を最優先でやってしまう!」部活も友人・恋愛もその次にできるのか...この優先順序が間違っていると悲劇である。
忙しい毎日の中で親はこれに気が付かない。
塾生が何とか第一志望の高校へ合格できても.....1年を経ずして高校中退になってしまった。それも1人ではない。
高卒の資格を得るには通信制高校に編入するしかないだろう。
かつてはこんなことはなかった。ギリギリで入った高校だからこそ生徒は一生懸命に頑張ったものだ。
20年....いや10年でこうも変わるものか....
やりたいことをまずやってしまう。好きなことしかしない。
まさか...であるが、両親ともこの生き方というか価値観で毎日を過ごしているとどうなるか。それは子供を叱れない家庭になる。叱られないで育った子どもこそ被害者だ。
子どもの将来未来を思えばこそ「愛情をこめて叱る」のが親だ....
やりたいこと...好きなこと
この2つが優先されるかぎり....親が気づいて強権発動しない限り...子供は落ちていく。
「自己責任..」この言葉くらい愛のない言葉はない。
カッコなんてどうでもいい。
親が我が子のために「捨て石」となる覚悟になって...子供はようやく親の愛に気づく。
ハワイの日系2世..3世を見るとよい。
身体髪膚これを父母に受く
あえて毀傷せざるは孝の始めなり....