進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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ミニボートに思う
2024.11.30
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2003年の法改正により、現在「3m未満の船体で2馬力以下の船外機」なら船舶免許(小型船舶操縦免許)を持たなくても操縦できるし、船検(定期的に受ける船舶検査)も不要となっている。
手漕ぎボートよりちょっと大きいくらいの小型艇に小さな船外機をつけたボートと考えるとイメージ的にわかると思う。これはあるメーカーのホームページから。
難しい...(と言われる)船舶操縦士の免許を10万円以上かけて取らなくてもイイ。
おまけに車検のような「船検」を受けなくてOK。
おそらく、2馬力艇を購入して実際に乗っている人はこの2つが購入の大きな理由になっていると思う。それはそれで実際の購入動機なのだから良いも悪いもない。
実際に私自身も20代の若者だったころ...海は大好きだった。カッコよく自分のフネを操縦して真っ青な海を駆け巡ってみたい。何より親父から受け継いだ「釣り」を親父世代ではできなかった「フネ」を持つことで可能性を無限に極めて見たい....そう思っていた。
でも、夢は果てしなく...カネはなく。これはいつの時代にも同じようだ。
豪華なクルーザーはムリでも船体+船外機で20万円くらいなら...と誰でも思う。その需要と夢の実現に応えるのが「ミニボート」と呼ばれる2馬力艇なのだ。これはカートップと言ってクルマのルーフ(屋根)に器具を使って固定して運ぶこともできし、軽トラの荷台にロープ固定してもいい。すべては自己責任の世界である。
体力勝負だが...現場の海岸に運んで砂浜から。或いは有料・無料か...許可を得て港の「スベリ」(コンクリートの引き上げ可能な斜面...小型漁船がフネの上げ下げに使う)から出港することになるだろう。
2馬力艇も具体的に...本当に出港できるまでに踏まなければならないステップがあることを真剣に考えてほしい。
私の所属するマリーナにも「レンタル2馬力艇」が数艇あり...もの凄い人気だ。
もちろん「お金を払えば...」というものではない。ウチのマリーナマスターはキビシイ。
駿河湾の「海の特徴」の勉強に始まり...沖へ出てからの危険回避のための最低限度に絶対知らなければならない「操船+地元のローカルルール」の事前講義...Pre-lectureを受けないとフネは出港許可にならない。
ミニボートは免許が要らないと言っても、沖へ出ればプレジャーボートや漁船....チャーターされた遊漁船、さらには養殖イケスの作業船と同じ海域に数時間はいることになる。
漁船は特に意地悪でしているのではないのだろうが、こちらを「遊びのフネ」と見ると、至近距離を減速せずに航行するのはごく普通のことだ。
そうすると引き波(航走波)が「バコーンバコーン」と繰り返し来る。1発目の航走波を何とか交わしてもバランスを崩したところに続いてくる2発目の波で転覆することが何と多いことか....
5年...10年とフネに乗っていると大体...漁船が見えたら用心するようになる。特に漁船や作業船の航路にあたっている釣り場では「アンカー」を入れないで「流し釣り」をやる。これはアンカーが入っていると瞬間的な回避行動ができないからだ。
それでも釣りに夢中になっていて、すぐ近くを漁船が通過した時にはエンジンがかかっていれば船外機を急加速して「漁船のつくる引き波」の範囲から逃げる。
最悪の場合でもう逃げる数秒もなければ船首(バウ)を波の来る方向に向ける。
フネはその船体の大小にかかわらずこうすることで少なくとも転覆だけはしないで済む。
2馬力艇もこれができるように体験と研究を積んでほしい。
海は凪(なぎ)だとミニボートでも思いもしない沖にまで行ける....水平線の彼方にも行けそうである。
一方で...ひとたび海上で風が強くなり波が高くなったら2馬力艇では風と波に負けて前進できず帰港はできなくなる。頭にきても あせっても 悲しんでも...無駄である。自然は容赦なく人間を試す。
ミニボートの海難事故は「転覆」と「機関故障」の2つである。船外機の不調でエンスト漂流...さらに続く他船の横波で転覆しないように。
出港前の自己点検で「燃料は十分にあるか」「スロットルの吹き上がりは良いか」「水冷式ならパイロット・ウォーターは出ているか」「スクリュー・プロペラに破損やゆがみはないか」くらいは自分でチェックしよう。沖でエンジン不調でも誰も責任を取ってくれない。
フネは究極の自己責任の世界だ。だからこそ....限りなく面白いのではないか。
反論やご意見あることを覚悟で言うなら....人間は安全なことには何の魅力も感じない。
命の危険があるようなことにこそ 全力を尽くしたい気力が火山のように湧いてくる。
ミニボート..2馬力艇で海を知り経験を積んでほしい。
数年先には小型船舶操縦士2級を....やがては1級をめざしてもらいたい。
先の大戦中なら2馬力艇は海軍航空隊の予科練の位置にある。