進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室     | 日記 | 教科書に思う

わかるまで教える。生徒の能力を引き出す...この2つを可能にするのが塾です。

Top >  日記 > 教科書に思う

進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室     の日記

教科書に思う

2024.10.04

教科書って何だ?

その国のスタンダードな教育。国として「将来において知っておいてほしいと考えられる内容を教科別に分類し..さらに学年別に内容を選りすぐった」もの....具体的には本の形をとるけれど将来未来においては教育の媒体が「本」を超えるものになるだろう。

教科書は古い言い方をすれば「国定」である。国定は国が定める...と言う意味だ。今の日本では嫌がられそうな言葉だ。「国民はこれだけは知ってほしい」「国はこれをこう考える」というある意味国の考え方....言葉を変えるなら価値判断の基準を示す。

だから、普段は何とも思わないが日本の教科書....それも義務教育の小中学校の教科書は日本が国として正しい....と価値判断のなかで認定したという大きな意味を持つ。

これが難しい場合には「事実を知らせる」だけである。その事実についての「説明や解釈」はしない...ある意味において卑怯な態度をとることに気が付く。

だから、理科のような万国共通の自然科学の分野ではほぼ100%受け入れられるが、一番意見が分かれ批判や反対か或いは肯定するのかでもめるのは「歴史」ということになる。

江戸時代までは....意地で鎖国を保っていたお陰で切支丹(キリシタン)迫害以外は他国は何とも言わないが、明治になってからの対外戦争である日清・日露戦争...大陸への進出あたりから大東亜戦争(太平洋戦争)の終結までの歴史については、もう考えたくないくらい周辺国からの介入がある。

個人のブログだからいいだろう.....具体的には中国と韓国だ。

日清戦争は当時の中国の清(しん)帝国と明治の日本との戦争だったが、結果において日本の勝利。日本は大陸の権益を得た。

韓国は複雑だ....江戸時代には朝鮮通信使として江戸幕府は礼を尽くして迎え入れ交流していた時は李氏朝鮮の朝鮮王国だった。その後明治になり、様々な経緯の果てに1910年の「日韓併合」となったが、同時に日本は李氏朝鮮が対外的に追っていた全借財をも肩代わりした。これについて述べた日本の歴史教科書はない。

その後1945年昭和20年....具体的にはポツダム宣言受諾のあと9月9日まで日本は半島(朝鮮半島)を日本そのものとして経営統治していたことが事実だ。

そのゆえに統治されていた側の人間の感情・気持ち....その延長上にある実際の「心」は国の歴史解釈を越えてなお複雑なのだろうと思う。

そのギリギリの境界線で今の日本の小中学校の教科書は書かれている。実に難しい。それが「教科書問題」と意識しよう。

信じられないが.....日本は敗戦国なのに.....と考える周辺2国のインバウンド外国人グループが日本の各地の繁栄とすべてが清潔で秩序が保たれている事実をわが目で見て複雑な心境になると聞いた。もちろん 彼らの母国と比べてのことだ。

昔、大学で2年間歴史学科に在籍していたがその時の教授の言葉を今も思いだす。「日本は明治から昭和20年の敗戦までに大陸と朝鮮半島で体験した事実のゆえに、冷静な心と気持ちで中国と韓国にかかわることができないのです」....私はショックだった。

歴史を学べばわかる....戦争すら起こってしまった国家間には、どちらが加害国でどちらが被害国とクリアカットに決めることなどできない。加害国は被害国であり被害国は加害国である。そして、そうまでしなければならなかった「やむにやまれぬ」複雑な事情が常にあるのだ。

だから何かの大きな戦争の後に書かれた歴史の教科書は「勝者の歴史を正しい」とする一方的な事実と論理で満ち溢れている。そのゆえに「教科書」の中でも歴史の教科書ほど問題になり、常に訂正が必要なものはない。

かの英国人歴史学者であるカー著「歴史とは何か(原書:What is history?)」によれば
ひとつの歴史に対して「歴史学者が10人いれば10通りの歴史が存在する」とある。

事実がひとつでも解釈はそれにかかわった人間の数だけ存在する。

完全な教科書...正しい歴史...は永遠に存在しないのかも知れない。

' ...state but not explain 'というけれど




日記一覧へ戻る

【PR】  ロン美容室  葵整体院  ルーナ施術院  AKIRA jewelry  ホットヘアー