進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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私立推薦も....
2024.02.18
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毎年のように春になると繰り返されるのが高校・大学の受験だ。
そのなかで、私立高校が行うのが「推薦による合格」である。私立高校は(実のところ私大もだが)少子化のなかでの学校経営が本当に大変な状態になってきている。どう頑張って学校に特色をだしたところで「少子化」そのものを改善できるはずもないのだから。
その過酷ともいえる現実の中で私立高校が考え出した生徒集めの方法が「推薦入学枠の拡大」である。特に最近では「スポーツ推薦」が多いことに気が付く。
中学校の運動部の最終仕上げとして毎年6月の下旬位から8月の上旬にかけて「中体連」の選抜試合が行われる。各地区の試合を勝ち抜くと最終的には県大会...さらには東海地方3県の東海大会...夢の全国大会となる。
各大会でレギュラーで活躍した生徒に私立高校は目をつける....5教科の学業成績がまあまあ学年の中ぐらいだとすると特待生としてほぼ受験なしで合格とする。成績がよい場合にはなお特待Aとして「入学金・3年間の学費免除」にさえなる。
親は嬉しい...当然だ。
運動熱心な部活が大好きでたまらない生徒には魅力ある制度だ。学費が安くなったり免除にさえなるかもしれないのだから親にとっても有難い。高校側にしてみれば、各中学から部活の優秀な生徒が入学後の部活を頑張ってくれて試合で良い成績を残してくれたら学校の名誉だ。
ただ気をつけたいのはまったくの無料とはならないこと....まず学校別の制服だが私立はカッコよく+可愛い..点を追及してデザインされているし、ワイシャツや靴下まで指定店以外での購入を認めない場合がほとんどだ。学校の指定通りに購入したら20万円近かったという話も聞く。他には体操着とか入学時までに揃えなくてはならない物品がバカにならない。修学旅行は私立の場合ハワイかカナダ...オーストラリアでその費用を積み立てて行くことになるが、特待Aでも免除ではない。
あとひとつ気になるのが...入学後の指定部活をやめられないこと。これはその条件で入学を認められたのだから当然のことだ。イジメがあろうと槍が降ろうとやめてはならない。
大きなケガをしてその部活をやめなければならなくなったら免除した学費の支払いを請求されたとも聞いた。
三島や沼津に自宅がある生徒は本当に運がよいと思う....伊東の場合どうなるか。
部活の朝練に間に合うために毎朝4時に起きる。バスもないから親に駅までクルマで送ってもらわなければならない。帰りは帰りで、授業後に部活を終えてJR東海で熱海まで。熱海からまた伊東線に乗り換えて帰ってくる....また親に駅まで迎えに来てもらい帰宅。
帰宅時間は早くて9時..10時である。
遅い夕食。入浴。
何時になるか....宿題+予習は大丈夫か?....3年後に大学進学するのか?
5時間の睡眠時間があるだろうか。また明日は午前4時に起きないと....
これが3年間繰り返される。
伊東からの私立スポーツ推薦の特待生はこの現実を3年間乗り越える。体調不調もあるだろう....中間・期末の試験だってある。
これを乗り越えて無事に卒業していく生徒を私は偉いと思う。生徒の部活と学びを支えたご父兄には深く感謝したい。
私は伊東の地域に埋没するように私塾続けて来た....そこからつくづく思うことがある。
高校進学は良い。本当に良かった....めでたい。
では3年後にどうするのだろう?
「大学進学か...就職か?」
「それは本人次第ですよ....」で本当に良いのか?
保護者として、親としてあまりにも無責任ではないか。責任放棄ではないのか?
もうその時には遅い。
高校の3年間を部活に打ち込んでも...それを根拠に採用してくれる会社はない。
学業成績も平均以上で試合成績が納得以上であるならスポーツ系の大学或いは学部に優先的に入学できるかも知れない。「かも...」だ。
そこまで....である。
今の日本では事実を言うとたたかれる。でも仕方ない。
スポーツ・部活で人生を切り開くならそれでよい。でも不可条件として高校はしっかり出ること。遅刻や欠席は事実として記録に残る。
進学できたなら、大学では専攻以外の一般教養科目も全部の単位を取る勉強をしてもらいたい。そういう生徒・学生しか今の世は評価しない。当然だが....
私立高校の利潤のために中3の生徒がいるのではない。ある意味において妥協しつつも自分を大事に未来を冷静に見つめてほしい。
私が心配なのは高校の3年間のあと....あなたはどうするのか?
特待で入学した3年後はどうなるのか...である。
このあとは書きたくない。
親にはわからない......永遠の課題。