進学セミナー西川塾　城星教室 / 十足教室　　　　 | 日記 | Over tourism

コロナが一段落したことにして、政府は外国人観光客を呼び込むことで国内の第3次産業の観光業界を通じて利益を呼び込もうとしている。まあ、そう考えるのはあながち間違いではない。日本は天然資源が乏しく外国に売れるものと言ったら、古くは「原材料を輸入して製品をつくり輸出する....加工貿易」だった。いまでは「知的財産権」ともう一つは日本ならではの「美しい自然」と「伝統的歴史を体感できる場」であろう。

ひとつ「水」をとっても水道の蛇口から出る水をそのまま飲める国は日本のほかに数えるほどしかないことをご存じだろうか。多くの国では飲料水の水源が汚染されて....そのまま飲んだら腹痛を起こすか下痢症状になる場合が多い。それは有機的に汚染されてて消毒が不完全か、あるいは工場排水が水源の川や湖に入り込み人間の飲料水に適さないのかのどちらかだ。

私はホンコンで「プランクトンの泳ぐ水道水」を見た。ソウルでは食器の洗浄や入浴のシャワーに水道を使うが「飲み水はコンビニでタンクで買う」日常を体験した。

よく、日本人は「水と安全はタダ」と思っていると外国人は言うがその通り。日本にいて毎日を過ごしている日本人にはわからない。

英語圏のHawaiiやAmerica本土に行けばrestaurantのmenuに「水：water」とある。

まあ日本も最近ではAmericanizeが進んでファミレスはかなり様子が違ってきたが、それでも冷たくて美味しい水は無料である。

日本で当たり前のことが外国から見ると驚きの連続なのだ。

それはまず「治安のよさ」「道路・公共の場が清潔」「住民が基本的に礼儀正しく親切」
という点である。

信じられないが、中国・韓国・アメリカ・ヨーロッパの各国は「自己主張」と「自分の利益追求」の社会構造である。もちろんそこには程度の差があり国内の治安を担当する警察力の差もあるけれども絶対に日本のような状況にはなっていない。

インバウンドの外国人観光客は、それが本当なのかを確かめたくて来日しているとも言える。一度日本旅行をした知人・友人の話を確認したい外国人も多いと聞く。

この結果、観光業が潤うのは結構だが「地元の受け入れ能力を超えた」インバウンドはいかがなものか？地元の住民が日常生活を送れない....政府・国はこの状況をどう受け止めているのか。外国人観光客で通勤通学のバス・電車があふれてしまって乗車できない。

買い物や通院のために公共交通機関である「市バス」にも乗れずやむなくタクシーを使う実情はどう解決するのか？

一番これが具体化しているのは「京都」と「湘南鎌倉」だ。

もう一つ言いたくはないが....特に中国人のインバウンド外国人はひどい。大声で時間に関係なく騒ぐ。コンビニ弁当のゴミは路上に平気で捨てる。あろうことか植え込みや公園の物陰で大小便を平気でする...いや事実なんだから仕方がない。

こんなところでも80年前の過去の歴史を持ち出して彼らをかばう人間がいるからビックリする。教養と常識のある外国人は決して日本人住民の迷惑になるような行為はしない。

インバウンドで経済的に一時潤っても、失うものがあまりにも多いのではないか。

日本政府は何を考えているのだろう.....

私はここでかつて行ったことのあるHawaiiを考えてしまう。Hawaiiには美しい自然がある。それこそ全世界から観光客が毎日押し寄せる。



美しい自然を維持しながらも、一方で観光のもたらす利潤をうまく得ていく。Hawaiiにはそのノウハウというか手法がよくよく研究されて、かつ有効に実行されているように思う。

Honoluluの町自体がもう公園そのものである。Waikikiやアラモアナの外国人が好んで訪れるところと、地域住民（ロコ）の住宅地とは摩擦なく住みわけができているように思える。

日本にインバウンドの歴史がまだ間もないとは言え、そこまでの研究がなされているのか？試験的にでも京都や鎌倉で実行してみたのか....その情報はいまだにないように思う。

迷惑をこうむる地域住民は永遠には生きない。1年1か月1週間1日には...かけがえのない時間的価値があるはずだ。

そのガマンと犠牲の上に成り立つインバウンド....私には罪深いものに思えてならない。