進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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能力はどこまで伸ばせるか
2023.10.16
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人間の能力は無限か......誰でも「無限だ」と信じたい。
私は「有限だ」と思う。そうでなければバベルの塔になる。
まず肉体はどうだろう。ついこの間まで日本人の寿命は50年だった。これは明治以降のことで国民病と言われた結核で亡くなっていたから江戸時代と大差なかった。先の大戦中に日米独ではペニシリンを開発して、戦後急速に寿命は延びた。それでも平均寿命は90歳を越えることはない。
戦時中に開発された戦争に勝つためのテクノロジーは戦後になって民生に開放され今の世を支えている。牛乳の紙パック・エアコン・新幹線・クルマのナビ....すべてが太平洋戦争とベトナム戦争のための技術だった。その結果が逆説的に生活環境の飛躍的な改善と向上を生み、結果として寿命を長くしていることを誰も言わないから不思議だ。
これを追及すると長くなるから...やめよう。
肉体の寿命はまだ医学の進歩によって伸ばせるだろうが、人間が自然界に生きる限りその生物としての命にはどう考えても限界があるだろう。
では、その個々の人間の知力についてはどうだろう。
昔から教育については二つの流れがある。時には反発し、同時に補完しあう流れだ。
それは英語で言う....teaching「教えること」とeducation「引き出す・抽出すること」
の二つである。
そんなことを言うと難しくなるけれど、要は「教えれば」或いは「教えられれば」人間は知的に向上するのか。
一方で、もともとその人間が持っている能力を如何に「引き出せば」優秀な人間になるのか.....と言う根源的な部分の話である。
「自分の側の問題」をさておいて考える人が多い。
その考えが具体化すると「より良い教育」を求めることになる。
結果...評判の良い塾・家庭教師・予備校を求める。選んだ結果に納得がいかないとnet-surfingならぬ「塾surfing」をする....気持ちはわかる。
でも、これが取り返しのつかない悲しい結果になるか...その瞬間に「親」はわからない。
生徒本人の能力と適正を親(両親と言いたいが...保護者)が子供との良い関係のなかで考えているならよいが、これぞ愛情とばかりに親が考えて先走ってしまうと困る。多くの場合.....トンデモナイ結果が待っている。
わが子への愛情が深ければ深いほど....子供についての「真実を見る目」は曇る。
私自身を含めてだが、それがわからないうちは本当の親にはなれない。
子どもが親(自分)を超えた学校に行き...学歴を積んだなら
それはもう革命だ。
たとえ、親が学費のためにどれほど苦しんだとしても...それを考慮に入れてもである。
「子」は親を超える命がけの苦しみを経た勉強をしたのだ。
誰が否定しても....私にはわかる。
「親を超えること」がどれほどしんどいか...大変か。
もう40年も塾をやっていれば統計学ではないが経験則で見えてくるものがある。
普通のことをやっていると.....親と同じ学校卒。或いは学歴になる。
論語の解説前言に「学ぶとは まねぶの意なり」とあるが...すべてを語っている。