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進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室     の日記

真冬のフナのように

2023.01.31

関東地方は広い。その広い平野には太平洋に向かって数えきれないほどの川が流れ込んでいる。一番大規模なものは支流・本流をあわせた流域面積の広大な利根川だろう。利根川水系にはまた豊富な魚種の淡水魚がいる。

自分が忘れられないのは...真冬の手もかじかむような寒さの中である日偶然に釣れた「マブナ」だ。ご存じのように水温が低くなるにつれてサカナの活性は下がる。ヒキガエルのように土中にもぐって冬眠はしないけれど、わずかでも水温のある深場の障害物の底にジッとしていてたまにエラを動かして呼吸するのみ...エサもほとんど食べなくなる。

ところがこの日、冬枯れの川越市の郊外に広がる水田の浅い用水路でマブナが釣れた。それは痛々しいほど全身にキズがあり尾びれ・背びれもずたずたに切れてしまっていた。

大きさは付近の伊佐沼で夏によく釣れる15㎝くらい。朝から昼まで釣ってゼロ...空腹と寒さでもう限界だった。父は「釣りは修行」と言ったが、小3の自分には本当にお寺の修行のように感じられたものだ。

日が西に傾き秩父連山が茜色に染まりだしたころアタリが来た。アタリと言っても竹の粗末なのべ竿に玉ウキをつけキジ(ミミズのこと)をチョンがけにしただけの仕掛けだから「ウキが僅かに動いた」だけだったが、釣りをやっていると浮きや道糸の僅かな動きがわかる。

凍るような冷たい小川から上がって来たマブナを見た時の驚きと言ったらない....
「オマエ、よく来たね!」と言ったら父も驚いていた。

このマブナを自宅に持って帰り、小さな水槽に入れてしばらく飼っていた。雑食性だから大体金魚と同じだ。毎朝、エサをやりすぎないように気をつけながら一つまみ金魚のエサをやってから学校に行く。水槽は玄関の下駄箱の上においた。

「フナ..言ってくるよ!」と元気に登校する。

ある日、学校から帰るとフナがいない!そうしたら何をあせったのか、水槽から飛び出して玄関の土間に落ちていたではないか...

「フナ、しっかりしろ!」と泣き出しそうな気持で手に取ると、空気にさらされていた魚体の半身は「干物」状態だった。急いで水槽に戻してやったら「干物になった部分」がだんだん水分を吸ってもとに戻った。死んだと思ったフナが泳ぎ出したから、ビックリするやら嬉しいやらで涙が出た。

その後、先生の許しを得て学校に持って行き中庭の金魚の池に放流したが、フナは背中が黒いからどこにいるのか全く分からなかった...金魚と同じ先祖なんだから大丈夫だったろう。

人生は苦難と失敗があるが、時には嬉しく楽しい日もめぐってくる。

毎年の一番寒い今頃になるとこの「フナ」を思い出す。

ギンブナの形態写真

こんなフナだった。

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