進学セミナー西川塾　城星教室 / 十足教室　　　　 | 日記 | 電話のはなし

近頃、本当に考えさせられるのが「電話」。

自分がまだ子供のころだから半世紀以上も前には家にあるのは「クロ電話」だった。NTTとが言わず「電電公社」と言った。そのころには電話普及率という言葉があった。要するにまだ電話がない家もあったのだ。

そのクロ電話も初めはダイアル式で「指を数字に入れては回す」のだが、「ジィー」といって一回ずつ元の位置に戻らないと次の数字を回せない....市外局番があると時間がかかって大変だったことを思い出す。

同じクロ電話だったが、次に現れたのが「ピポパ..」のボタン式。これは格段に速く電話がかけられた。カラー電話といって僅かの負担でクリーム色とかグリーンとかの綺麗な色の電話機を選べるようになった。このころからだったか、テレホンカードが売れ出されて重たい十円玉をたくさん持ち歩かなくてもプリペイドでかけられるようになってきた。

ブログをお読みの皆さんはこのころからの記憶が鮮明なのではないだろうか。

私など本家の祖父の家が家業を東京港区の高輪で営んでいたから、祖父は頑張って真っ先に電話を入れたらしい。同じダイアル式の電話機でも祖父の店にあったのは金属製の重たい頑丈な電話機だった。子供がオモチャがわりに電話ごっこをしようものならこっぴどく叱られたものだ。「オマエが電話で遊んでいるときに仕事の電話がかかってきたらどうするんだ！！」というのがその理由。

時代はかわって今から40年くらい前までの話。まだ「電話債権」なる言葉が生きていた。これは電話の加入権のことで大体7万円くらいだったか...高かったなぁ。

やっとの思いでNTTの電話を2軒ある自宅と数か所の伊豆の教室に入れて安心していたら、通信革命なるものが進行中だった。民間の通信業者の参入だ！

いま「ガラケー」と言っている携帯電話がもの凄い勢いで流行り出した。初めの数年だったか10年くらいは中継局の関係で都市部では大いに利用価値があったけれど、伊豆のような郡部では電波状態が不安定でつながらないことが多かった。便利ではあったが、つながりにくいオモチャのような...それでいてまだ通話料が高く子供にせがまれてガラケーを買いあたえた家庭では翌月の口座引き落としの利用代金にビックリしていたなぁ。

ここが資本主義市場経済の明るい点だ...携帯各社が乱立する中で「サービスの向上」「利用代金の値下げ」で顧客を得ようとする中、ドンドン通話料金・メールに関する利用が廉価になってきた。自由競争の賜物であろう。

さらに、へき地や郡部にも中継局が増えてきてNTTの固定電話と同じようにつながるようになったことが爆発的な携帯電話の普及となった。

考えてもみれば加入権だけでまず数万円を必要とするNTTの固定電話は最早高すぎる。
携帯電話との差別化が何か？と言えば「固定電話番号の安定性」という社会信用のただただ一点に尽きる。だから、銀行など住宅ローンや各種ローンを組むときに当初は携帯電話番号しかない利用者を警戒したと聞く。

いまだにNTTの固定電話がなくならないのは会社を始めとする社会的信用と安定性をアピールする必要がある公的機関だけではないだろうか。

かく言う自分も学習塾の自営業だから2つの固定電話はなくせない....なくせないから困る。毎日かかってくるのは「教材売り込みの勧誘」「リモート授業で稼ぎませんか？」「必ず生徒が増える経営法の講習会」とか「営業用の電力利用を7割安く提供します！」なんて言うのもある。

落ち着いて本も読めないし勉強もできないじゃないか！

一件ずつアタマに来るたびに「拒否番号登録」するが200件は既に埋まっている。新しい順に再登録して最古のものをdeleteしている。電話でダメだとわかるとFAXでくるからしつこい。ちなみに0120と050ははじめから絶対つながらない設定にしてある。

まともにしてマジメな電話は1ヵ月に数件....ほんとうにもう固定電話（家電：いえでん）はやめようかと思う。基本料金は事業用でその分高い。悪質な業者とイタズラ電話をカットするためにナンバーディスプレイにしているからこれも高い。

この辺はNHKと民放の関係に似ている。

ガラケー時代からナンバーディスプレイなんて携帯の世界では当たり前じゃないか？
世間でもう常識となっていることを特殊サービスとでも考えているのだろうか？この辺がNTTの限界性を感じるところでもある。

個人携帯の番号だけで仕事をしているフリーランサーも増えて来たし、個人塾だって同じだ。NTTの固定電話の信頼性にすがるのもどうかなぁ。

ひとつずつNTTの契約回線を減らそうかな....

加入権分のお金は永遠に帰ってこないけれど。