進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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伯父とキアジ....
2022.07.02
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例年より3週間近い梅雨明け。とたんに連日35℃の暑さには参った。そんな中、久しぶりに御前崎の友人Sさんと沖へ出る。幸い風も波もない。コンパス針路SSEへ最大船速で海上をかっ飛ばす。
まるで夜明けの湘南を江の島に向けて走るみたいだ!40年前のこと。
対岸までの途中には鏡のような無風の海域がある。ホンダワラだろうか無数のちぎれた海藻が海面いっぱいに浮かんでいる....歴史書に一瞬でてくる大航海時代にポルトガル人が風のない無風海域で苦しんだ「サルガッソ」の話を思いだす。
そして「赤潮」もあった。毎年の梅雨時の海で見る赤潮は上流に降った雨が狩野川の流れが沼津の河口に運ばれて...やがて海面付近が富栄養化しプランクトンが酸欠で死ぬ。
その結果はまるで赤いペンキを海面にまいたようになる。臭いし気分が悪くなるから息を止めてエンジンの回転を目いっぱいあげ離脱!....「プ、ハー」タマラナイね。
スグに駿河湾の南対岸まで何と15分..で着いた。
いったい何ノット出ていたんだろう。ちなみに海では港の中での徐行。海上でのフネの航行優先の順を守っている限り海上保安庁は何も言わない。
言葉に気を付けないといけないが「最高の自由」があり「最高に危険」で「この上ない自己責任」を問われるのが海なんだと思う。私だって今までに何度危ない目にあったりマリーナの仲間に迷惑をかけたことか。スミマセン。
反省しつつ対岸に着く。
ここはキアジのポイントが続く小内湾(ワンド)。大瀬崎からの黒潮支流が新鮮な外洋の海水を絶え間なく送る沿岸。透き通る潮で各種の幼魚が送り込まれ内湾のココで育つ。
まあ言ってみれば「自然の養魚場」のような。
あれ....何かが脳裏に浮かぶ。
そう、房総半島のもう南端に近い「館山」もこれと似ているんじゃないか。
東京湾口の館山湾には沖合から黒潮支流が入ってくる。
気候は温暖で冬にも野菜とサカナが豊かなところだ。富浦のビワも有名。
初めてキアジ(館山の地元ではキンアジ)の言葉を聞いたのは伯父からだった。伯父は旧海軍で予科練卒。終戦後9月の米軍引渡までここ海軍航空隊館山基地にいた。
「館山基地のメシはうまかったよ。真冬でもうまいアジを食べていたよ..」「そのアジをおろす前に見たんだがキンアジと言うんだそうだよ」とは伯父の言。
それがキアジだった。
だから睡眠時間1時間であっても駿河湾でキアジを釣るたびに伯父を思いだす。
何故か伯父との対話につながるような気がして....
館山は千葉の房総半島のほぼ南端。黒潮の支流が絶えず流れる冬でも温暖の地だ。
祖父は外房の御宿の出身。地元には西川造船とか西川運輸とか遠い縁戚の活動が嬉しい。
キアジ....館山....外房
その縁...は私のルーツである気がするのである。