進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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なぜ大学へ...?
2022.06.29
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日本人ならよほどの事情がない限り「小学校・中学校・高校」と進むだろう。世の中は高卒を基準として動いているように思う。だから高校を出ていなかったり何らかの事情で中退になった人には世の中は冷たいように感じる。
その上の大学となるとどうか....
明治時代なら大学生は希少で「末は博士か大臣か」と言われ、本当にそうなったから驚く。当時の大学生はまずは優秀であり、家または自分で何とか学費の工面ができるだけの経済状態。さらには健康が大事だった。まだ抗生物質が発見開発される前の時代だったから優秀な青年ほど肺結核に感染した時代だ。他にはビタミンBの不足による脚気も江戸時代からなお続く国民病だった。
これらの条件を無事にクリアした大学生は最早大学で学ぶことは自分であって自分でない
...すなわち、いち早く日本を欧米に追い付き肩を並べる国家にしたいという使命感に燃えていた。
言いたくはないが...徳川幕府は幕府を支える優秀な官僚を教育するために「昌平黌」を作った。昌平黌はそのまま明治政府の高級官僚を教育・養成するための機関として受け継がれた....それが明治からの「帝国大学」。
戦後は「東京大学」になった。
人間、何かのために具体的目標がはっきり見えているときには信じがたい努力をするものだ。寝る間を惜しんでの勉強など何の苦痛もない...喜びと充実感でいっぱいだ。
ここまでは昔の日本であり戦前までの日本の大学生の話である。
太平洋戦争のあと日本は急速に...ムリをして民主化した。日本人の教育については戦前教育の轍を踏むことのないようにGHQは内政干渉以上の熱意をもって新国家創造の教育改革をした。
実例としては6・3・3制の後に新しい女子教育を考えて多くの短大を創設するよう日本政府に圧力をかけた。これは戦後の日本には僥倖であった。高校だけでは不足でもっと勉強したいが4年制大学では条件的に難しい...という生徒・学生の要望に応える具体的な進学先になったからである。
そして「今」だ。
国立・公立・私立の国内大学はあまりに多く数えるのが難しいくらいだ。
私立大については少子化の波に洗われて入学生徒数が減少...国からの補助金をもってしても経営が成り立たず消えて行く大学が毎年ある。ほんとうに厳しくつらい経済状況なのだろう。教員の給与も支払いがままならないと聞く。
結果として「大学の名前にこだわらなければ必ず合格する」という信じがたい状況になった。国立と公立大学は不合格を出すが、学生の確保に大変な私立大学はよほどのことがない限り受かる。
本当に驚くが、中学や高校の定期テストで英語・数学の得点が一桁「5点とか7点」の生徒が合格して大学生になってしまう。
これは高校なら赤点だ。
受け入れた大学の教員は苦労するだろう....大変だ。
英語どころか母国語の日本語もよくできない...中国からの留学生のほうができる。
数学の基礎的な計算や日本で標準のメートル法もわからない....そんな学生が自分の受け持ち(大学はクラスがないから選択した講義)に来たら困るなぁ...。
リポートを書いてきなさい...と言うと。90%が「コピペ」だそうである。
友人の大学教員はもう我慢の連続で気が狂いそうだ、と言う。
批判を覚悟で申し上げるが....中学校の1次方程式もわからない学生が行くような大学に4年間学費を払って行く意味があるだろうか?
それでも意味はある....とするのが今の日本だ。
そんな中でも、本当に学問し勉強して自分の未来を見つめたいと真摯に思う学生もいるはずだと私は思う。
周囲が何と言おうと自分の道をしっかり見つめてほしい。
キミのその純粋な精神がこれからの人生を構築するのだ。
決して経済や些末な条件ではない。
人間は追い詰められた...そのギリギリの状態の時。
初めて自分の本当に進む道がわかる。
May God bless your future , my boys.