進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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CD...売れないです
2022.06.01
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CDと言ってもmusic CDではない。英語や他の語学を学ぶためのText CDのこと。
中学生や高校生に英語を指導していて感じるのはText(教科書)の急速なアメリカ英語化だけではない。Speaking(話す)Listening(聴く)に授業のバランスがどんどん傾いていくのがわかる。
例えば教科書の新しいLesson(Programのほうが多い)に入ると1ページ目で軽く文法に触れた後、2ページの右上には「バーコード」がある。何のため?
教員が自分のスマホを写真モードにしてかざすと、その教科書会社がupしているテキストのその部分が表示される。
あとは細かい設問なりQuestionの番号を選ぶだけ。スマホのボリュームと音質もまあまあ30人くらいの指導には差し支えない程度である。
むかし私が地元の高校で教えていた時とは天と地ほども差がある.....
授業の準備のため短い休み時間に生徒の英語係を指揮して英語準備室から「VHSデッキとCDプレーヤー」を空港のキャリーカートに似た器具に載せて運ぶ。どちらも旧式で重たいから素手で階段を行き来するのはムリだった。
今の英語教員はこの作業から解放されているのだからうらやましい。
この英語学習のバーコード化は学校の教科書にとどまらない。市販の英会話教材もほとんどがCD付きではなくなった。
かつては本物の英語の発音を知るには大変な苦労があった。
アメリカの英語にしても本国で高等教育を受けたAmericanの発音は流れるように美しい。そのためには大学へ入って英語を専攻し信頼できるアメリカ人教員の指導を受けるとか、さもなければ信じがたい指導料を支払って個人的にtutorを探すしかなかった。
半世紀まえには国内で信頼できる英会話の教材と言えば「リンガフォン」しかなかった。
当時は音声の媒体はカセットテープが最新だったのだから。
友人はリンガフォンのカセットを擦り切れるほど聴いてアメリカ英語をマスター。アメリカの大学へ留学した。
すべては懐かしい古き良き時代の記憶になった.....
語学の修行もまたtechnologyに取り込まれて行くのだろうか。
母国語を磨くことを忘れて。