進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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末期症状
2022.05.13
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人間の病気に末期の症状があるように国家にもいくつかの末期症状がある。
典型的なものは歴史上のローマ帝国の末路だ。
国が興り発展していく巡旬な青年のような熱意は地中海世界をローマの属州か同盟国にしていく過程で失われて行った。
愛国心や尊い自己犠牲の精神は遥か彼方の昔物語になり、金銭・瞬時の快楽を追及することが人生の目的となってしまった。何故か今の日本を彷彿とさせるものがあるが....
その前駆症状として、もし国に国軍があれば人心の乱れはまず軍の内部に現れる。徴兵拒否、脱走、軍命令を拒否....古代ローマであったことがロシア軍のなかで今また起きている。これは戦争に「大義名分」を見いだせないときにおこる現象だ。人間だれしもこの戦いに自分の命を懸ける意味があると確信できて初めて本心から立ち上がるだろう。徴兵どころか志願兵であふれる。
ロシアはあせっている。
数十倍の戦力で侵攻すればウクライナをあっという間に制圧し無条件降伏に持ち込めるだろう...という予想はまったくはずれた。
アメリカを始め西側の諸国がウクライナを支援している。いまやどうどうと。それはロシア軍を打ち破る最新の兵器だけではない。現金をはじめ継戦に必要なすべてである。
一方でロシアはどうか....
西側各国からの経済制裁で軍事技術の維持に必要な部品も調達できない。ロシアから天然ガスその他のエネルギーを購入していた国々も次々と割高な他の方法に変更した。
すぐ勝てるはずのウクライナが頑強な抵抗を見せることへのいらだち。次々と送り込まれるアメリカ・西側諸国の軍事+経済援助へのはらだち。いつ終わるともわからない戦争への不安....
そんな中、最前線の兵士に弾薬・食料・医薬品の供給がことかくようになったらどうだろう。自分たちは命をかけて戦っているのにと誰しも思うだろう....その怒りと悲しみが兵士を信じがたい獣の行為に駆り立てる。
これが戦争の末期症状ではないか。