進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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人は二度死ぬ....
2022.04.03
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敷島の やまと心を人問わば 朝日に匂う 山櫻花....
母はこの歌が大好きだった。ヤマザクラはあでやかなソメイヨシノに比べていかにも日本人らしい清楚な白い花をつける。多くは人の近づきがたい山肌の急斜面に自生する。
春の弥生の27日に母は天に召された。
母が50年前に私と幼かった妹を連れ、大きな決意をもって東京を離れ伊豆にやってきた時も桜満開のころだった。今...自分をはじめ孫や曾孫までが存在し幸せに暮らしていられるのはすべて母の忍耐と悲しみの涙のおかげと思う。
中国の四書五経の中に「積善の家に余慶あり..」とあるがまさにこのことか。ひとはその親..祖父母..遠くは先祖の努力のおかげを多かれ少なかれこうむっている。直截に言えば親がいなければ自分はこの世に存在しない。ご先祖の誰が欠けたってやはり存在できないではないか。
私はそれを忘れない。
忘れないこと...それは相手への思いやりであり愛だ。
人は死んだだけでは死なない。
忘れられることで本当に死んでしまう.....
相手への思いやりがあるなら、大事な大切な人ならばなおのこと絶対に忘れないこと。
あなたが覚えている限りその人はあなたの心の中に永遠に生きている。
だから覚えていてください。
口がきけない世を去った人はかわいそうだ。
私は命ある限り母を忘れない...母がどれほどの愛を私に注いでくれたか。
死者にも憐れみを...