進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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ウクライナ
2022.02.20
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多くの人の関心が中国北京オリンピックにある中で、東ヨーロッパのウクライナでは東の国境に数十万のロシア軍が臨戦体制で集結して今にも国境を越えて侵攻しそうだ。
何か昔のドイツ軍のポーランド侵攻の瞬間を思いだす。あの時だって英米仏が自国の利益と安全を第一に考え 手をこまねいている間隙をついて電光石火のごとくナチスドイツの軍事侵攻を許してしまったのではなかったか。ドイツは凄い!とあこがれて当時の日本は陸軍が中心になり三国同盟を結んでしまった苦い歴史がある。
だいたいにおいて、日本人は他国の戦災も不幸も対岸の火事と思う。薄情とか他者への愛情が足りないわけではない。
自分のことで精一杯だよ..というのかも知れず、或いはそんな海の向こうの心配をしたって仕方ないじゃないか、オレには何も出来っこないよと思うのかもしれない。
そう考えて目先の利益・不利益ばかり追う...それが平均的な日本人の姿だろう。同時にそれは外国から見ると極めて異形にして奇妙な人間に映ることを皆さんはご存じだろうか。
自国の安定と発展は周辺国..ひいては世界全体とのバランスの上に初めて成り立つ。
だから自分の国の現在の「位置」が歴史的に経済的に軍事的にどこにあるのかを諸外国では学校で徹底的に教える。学ぶ側も必死だ。
現在の日本ではこの点がぼやけているから、いきおい「個人」にのみ力点を置いた教育がなされている。
目を大きく見開いてみよう。
現在のウクライナ問題は1991年のソ連の崩壊に端を発している。
ウクライナはソ連の崩壊後に独立した国だ。地政学的には西ヨーロッパとロシアの中間に存在する...だからこそロシア語を話し宗教的にもロシアに近い「親ロシア」と西ヨーロッパに近い「反ロシア・親西ヨーロッパ」の2つに人間もわかれて存在...いや混在することを現実として無視できない。
ロシアがウクライナ東部の「ロシア語を話す・同じ信仰を持つ」親ロシアの人々を保護しようとするのは政治的な配慮が多分に入り込んでいるにせよ、同文化・同宗教の人間に対するごく自然な憐憫の情であろう。
「居留民保護」....この言葉に込められた思いを理解しなくては平和に慣れた人間には理解が難しい。
もう80年以上前の中国大陸でも日本が関わる同様の事件があった。「居留民保護」の名目で関東軍が出動して行った。
「大規模軍事演習」....当時のソ連を仮想敵国として関東軍は大軍事演習を行った。その直後に何が起こったか。
歴史に造詣のある方はお気づきと思うが、軍隊の演習は「作戦・装備・補給」を考えぬいてなされる。それはある意味極めて真剣にして真実味を帯びたものになる。演習はそのままの状態で実戦に移れるからだ。
ロシア軍の陸軍は戦車部隊が中心だ。その昔ソ連軍のT-34戦車に関東軍がどれほど苦戦を強いられたか...ノモンハン事件...そして終戦間際の日ソ不可侵条約破棄の満洲でも。
ノモンハンの野戦中隊長だった陸軍士官の孫を40年も前に家庭教師で教えたことがあったっけ....T-34と重機関銃の恐ろしさの話を伺ったなぁ。
今回もウクライナの国境にはまたしても戦車部隊を中心としたロシア陸軍が十数万人の兵力で臨戦態勢に入った。
歴史はまたも繰り返されるのか。