進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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Memories during Summer vacation
2021.08.22
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夏休みの思い出は子供のころの...それも幼少に遡るほどより新鮮だから不思議だ。
英文学専攻の時に読んだLafcadio Hearn(ラフカディオ・ハーン、日本名は小泉八雲)はその作品の中で幾たびか「あの何も知らなかった子供のころ...そう私がまだ幼児であったころの太陽は今よりずっと輝いていた、夜空の月もまた今より遥かに大きかった...私を取り巻く自然のすべてがより力強く鮮明な印象をもって私に迫っていた」と書いている。
3D..simulationとでも言うのだろうか、今の世はあまりに簡単に疑似体験空間を作り出す。むしろスマホやPCで見たり聞いたりする方...may be stimulationが本来的にさえなりつつある。
騙されてはいけない。
それらはすべて現実の「代用品」である。代用品を如何に手軽に現実に見せかけるその処理能力を競ったところで実際の自然の美には遥かに及ばない。
これがわかっていて利用するぶんには一向にかまわない。ただ、一方で現実の「自然」を知る機会が加速度的になくなっていく子供たちには極めて有害以外の何物でもないことを認識していなければならないだろう。
抽象的なことを言っても仕方がない。皆さんも、小学生のころ...或いは幼児のころの自然とのふれあいに驚いた体験の記憶がないだろうか?
その「自然とのふれあい」「自然と自分のアッと驚く体験」こそが大切なのだ。
私は今で言う' out-door-life'が大好きな父親に連れられて東京を中心にクルマで行ける限界まで探訪した...幼少~中学2年までの体験がある。
父は何より「釣り好き」だったから0ut-doorと言っても今のようなカッコイイ「Camp」とは程遠い...何というか「釣りを最善とする」小旅行のようだった。
そんな中で、小1の夏休みのある日だった。まだ妹も生まれていないから父・母・私の3人で富士五湖のひとつ「精進湖」に行った。珍しくこの日は純粋な観光で釣りの準備なしで。
湖畔に父と下りてみると、独特な装備で今までに見たことのない釣り方をしているオジサンたちがいた。
それは「ヘラブナ釣り」だった。
興味のある方はヘラブナをnet検索していただきたい....
とにかく、小1の私は生まれて初めて「ヘラブナ」なるものを見た。
「銀白色にまぶしいくらい輝く大きなフナ」だった!
それまで釣っていた埼玉県の用水路でみるギンブナ・キンブナとは似ても似つかないくらい大型で体高のあるフナだった。
興奮して魚籠をのぞいている私にヘラブナ釣り師のオジサンが言った「ボク、欲しければみんな持って行っていいよ。どうせ夕方には湖に返すんだから」
今で言う...releaseだ。
お言葉に甘えて、小1の私は大喜び。
魚籠(ビク)の中に手を突っ込み、素手で30㎝もある大型のヘラブナを捕まえた。クルマに積んでいた「バケツ」に生かしたまま東京の自宅まで大切に持って帰った。
ヘラブナは生命力が強いから1週間くらい生きていたが、ウチのネコ(ミーコ)やノラ猫がほぼ毎日1匹ずつ食べて行き...全滅した。
悲しみと共に、忘れられない鮮明な想い出である。
追記:私の生涯をかけた釣り好きはこの瞬間に決まった。
PS: Since the memory was so vivid and strong, 'Fishing'became my best hobby which I search through my life.
心の純粋なうちに自然にふれあうことはその人の生涯を決める。