進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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短い夏休み....
2021.08.21
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明治以来、土曜日は官公庁・公立学校はお昼まで。日曜祭日はお休み。夏休みは7月の下旬から8月31日までの40日間と決まっていた。
それが「ゆとり教育」なるものが世の中に叫ばれだしてきてから少しずつ変わって来た。
初めのうちは月の第1と第4土曜日だけを休日とし試験的に様子を見ていた。やがて完全週休2日制になり土日が休みになると世の中が大変な影響を受けるようになった。
「5日働いて(学校へ行って)土日は休む」....如何にも自由が増えていいように見える。まるでAmericanの生活そのものじゃないか。
では実際に子供たちはどうなったか?
結果は「部活が2倍になった」だけ。実質上は自分の好きなことを深めたり出かけたりする自由なゆとりなどますますなくなったと中学生は嘆いている。
親だって子どもの休みが増えたからと言って自分の休みをあわせられる人の方がずっと少ない。母親も働いている場合などかえって、家で子供がどうしているかの心配がある。
勉強だってそうだ。かつて土曜日の4時間を使えた時にはそれこそ「教える余裕」も「学ぶ生徒にも余裕」があった。
いまなど、かつて2時間で教えていた内容を1時間で教えなければならない。これは教える側にも「教え方・教材の厳選」などの準備を要求し、生徒は時間内に「理解し暗記する」より高い能力がなくてはついて来られない。
特にかわいそうなのは小学校低学年からの家庭学習の習慣がついていないまま中学に入学した生徒たちだ。「読む・書く・聴く・話す」の正確な国語の力がないから授業が理解できない。そして、理解できないから勉強しない選択をする。
母国語の日本語はパソコンで言うOSである。これがダメならすべてダメ。そのくらい国語力は重要。幼児からやった英語もその人の国語レベルで止まることが言語学の定説だ。
教員も30~35人を担任し、指導教科の準備や採点統計のデスクワークがあり、部活の顧問としての責任もある....本当に忙しかったのが加速度をつけてさらに忙しくなっているからとても生徒一人一人の各教科の問題点を助けてやる「ゆとり」など無くなっている。
こうした実態の中で、緊急避難のように塾...それも大手の予備校的塾ではなく個人経営の細かく見てくれる(?)塾へ期待して入学してくるのが最前線なのだ。
しかし、塾と言っても魔法使いではないし、スーパーマンでもない。塾へ行くだけの事実で成績が向上するはずはない。長年の経験から、どう教えればわかるか...そして学力が定着するかのノウハウを駆使して日々教えている。
だが、是非にもお分かりいただきたいのは「どれほど理解してわかっても」....「暗記」できなければ効果はゼロだと言うこと。
塾生の中には中2・中3で「be動詞..is/am/are」の区別さえできない。数学の分数・少数・正負の数の計算がダメ...という生徒が年々増えて来た。
集中力が持つのは本当に「1分間」が限界。楽しいこと好きなことは全力で限界まで頑張る...イヤなことは絶対にしない。部活では大活躍...帰宅してシャワーを浴びると夕飯を食べてゲームで終わる....
本当に救わなければならないのはこうした子供なのではないだろうか?
穿った推測かもしれないが、歴史とは後になってその理由がわかるものだ。
学校に教育に「ゆとり」を!と叫んで「週休2日制」を導入したのはその時期に「公務員の週休2日制」が現実になったからではないのか?
だから、学校では地方公務員の公立学校で段階的に週休2日制を実施した。これで社会の流れを作り私立の小中高校も土日を休みにせざるを得ない状況に追いこんだ。
誰だってゆとりがあるのはイイだろう。
でもそのことによる被害者だって存在するのだ。私は学業不振の生徒、スマホとゲームと部活で終わってしまう子どもたちが最大の被害者だと考える。
まして、それらの根底にはどこかの国の利益のために日本の伝統を覆した規制緩和があったとしたら...
皆さんはどうお考えになるだろう。
夏休みは40日。
始業式は9月1日が懐かしい。