進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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ため池で水死?
2021.05.22
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聞きなれないため池って何だろう?
普段、日常的に農村の暮らしをしていないとまずわからない。わかるのは「ため池」という言葉からの類推だけだ。
多くは農業用の灌漑用水とするために設けられた取水のための「農業のための用水池」だ。それは面積を広くとってあり雨水を貯めるもの、或いは近くの川から取水のため用水路で流し込んでいるものもある。
ため池は内陸の畑作地帯に多い。地域の農業者たちが昔から共同で出資して作っていたりする。落水者がでないように周囲には土手・堤を作りさらにフェンスや有刺鉄線を張り巡らしている場合だってある。
それは自然の沼や池とはまた違った危険があるからだ。
自然の湖沼には岸にヨシとかカヤが生えていて、底質はだいたい泥か砂である。そして例外はあるが「中心部に向かってだんだん深くなっていく」のが普通だ。
農業用水のため池は違う。
池の側面はコンクリート護岸されていて、角度も15~30°くらいで池に落ち込んでいる。
コンクリートでガッチリ固められているから途中につかまる木も岩もない。
水面からはそのままの角度でグングン深くなっていくのである。しかも底には滑りやすい藻が生えている。
だからいったん転落して立とうとしても藻で滑って立ち上がれない。助けようとした他の人間も一緒に溺れてしまう。先日は休みの日に釣りに行った親子が水死した事件があった。
ボウフラがわかないようにとか、秋の終わりに水を抜いて獲るためにため池には鯉が放されているばあいが多い。一般の釣り場ではないからドンドン育ち大型化する。
知り合いの岐阜県の高山の農家では月に一度くらい、自分の畑にあるため池に出かけては50~70cm越えの鯉を釣って来ては家族で食べている。腰に命綱をつけて釣る。海のない寒い県なので昔から貴重なタンパク源だったそうである。
素人は絶対にため池に釣りに行ってはダメだ。こんな感じのため池が多い。