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K字回復..って?

2021.05.17

経済学はずぶの素人だ。大学の一般教養の経済学で4単位を取るのにも本当に大変だった。

大体経済学を文系としているのは世界広しと言えども日本くらいだ。

経済学にはミクロ経済とマクロ経済があるが、いずれにしてもその研究と学びには数学の微分と積分を使う。だから多くの国々では「経済学は理系である」と言う認識だ。

数学が苦手だが、将来の就職の時につぶしが効くから経済学部へ...という選択は最悪の結果になるからやめた方がイイ。

経済学には長い間継続した不景気の結果の状態を表すグラフの形によって「V字回復」とか「U字回復」とかがあったが、今回初めて「K字回復」なる語を聞いた。

Kの英字は「右に上がる」+「右に下がる」という両方の結果予想なのだそうだ。それは「製造業は持ち直す」が「サービス業は苦戦」....と言うこと。

経済の世界はダーウィンの言う「適者生存」による淘汰が非情なまでに行われる世界なのだろう。自然科学の進化論が経済学の世界にも適用されるとは思ってもみなかった。

それはそれで否定できない事実なのだろうが、私は個人的な感情のゆえに認めたくはない気持ちが非常に強いからこまる。

事実を突きつけられても..否定できない数字からの予想を見せられても。

昭和天皇ではないが「あ、そう..」としか思えない。

コロナで...いやCovid-19かChina-Virusのほうがより正確な呼称だ...が、長い間我慢していた消費者が今後購入予定や希望していた商品を買うだろうからその方面の業界は潤うだろう。

サービス業が敗退し苦戦する....航空会社、ホテル・旅館業は大変になる...と言うのがK字回復。

その程度が問題なのだ。コロナが始まって以来ずっと消費者はrepeaterとしての「買い替え」や新商品の「購入」を我慢したり自粛してきたから、コロナ後には急激な購買意欲が解放されて急速に売り上げを伸ばすだろう...ゆえに製造業は久々に活気づく。

Americaの経済学者が言うことであるが、筋は通っているし奇抜な論理展開ではないと思う。

自分の経済学への思いは「儲かったかどうか?」とか「人生はカネ!」という考え方を父の会社経営を見てきて心から嫌悪するようになったことが大きな原因だったろう。

昭和20年の夏の敗戦を境に日本人は180度その精神構造において変わった。

今でも「カネ・モノ・力」にしか価値観を見出せない人とはminimumなお付き合いで勘弁してもらっている。偉い人には「尊敬と敬遠」につとめること。

でも一般教養で、気に入らない科目であっても単位が取れない大学生に専門課程の研究ができるわけがない。わけのわからぬままメチャクチャに大学図書館へ通い、経済学部の学生の友人が薦める専門書を神田の書店で探しては読んだ。基礎基本の質問を経済学部の友人にしては笑われた。

...あれから長い長い時間が流れたが、2つが今も記憶に新しい。

ひとつはイギリス人のアダム・スミスの著書「国富論」にある....「この世の需要と供給により最も適切な市場価格が決まる...そしてここには神の見えざる御手(...Invisible  Hand)が働いている。実際の需要曲線と供給の曲線graphの交点が「市場価格」になる...

これには数学的な説得力があるから今でも経済学の初歩の段階で学ぶ。最も他学部の学生たちにも理解しやすい。

今はどうか?

これまでの経済学の全てを尽くして研究しても予測不能の時代だ。それは経済学も科学の一種であるから過去すべての「事例と事件」をもとに一定の理論や方式を構築して来たのであるから。

ゆえに、PCやAIのところで先日言及したように「データ」がないものに対しての予測ができにくい。水平線の向こうを類推したり想像したりできるのは人間だけなのだ。

だから経済学だけを研究室にこもって古色蒼然としたやり方approachで取り組んでいるのではダメ。歴史・文化・宗教・国際政治・異文化間コミュニケーションといった一見経済学とは関係ないように見える分野をコツコツと学んだ経歴の学者にして初めて「水平線の向こう」を類推できるのだろう。

あえて名前はあげないが、その意味でこのアメリカ人経済学者の言うこと・論文に述べることには大きな意味がある。個人、企業、国家までも感情論や楽観論ではどうしようもないところまで「経済において」追いつめられているのが現状なのではないか。

そんな意味においてもう一度「K字回復」を自分の立ち位置で考えたほうがいい。

かつて流行った「勝ち組・負け組」なんて言っている場合ではない。負け組は存続できるが、今は存続か消滅かの二者択一の残酷な新しい世になりつつある。

他のひとつは経済学を齧れば必ず誰しもが出会う「マルクス主義」の資本論の世界だ。

経済学部の老教授は言った。

他学部の学生はマルクスに深入りする必要はありません。ただ概要として2つの骨組みを覚えておいてください....

「宗教・芸術...政治すらも、経済の上に成り立っている。土台の経済がひっくり返ればその上にあるすべてのモノは同時にひっくり返って消滅する」

「宗教は人民(人間とは言わない)を惑わす精神の麻薬である...宗教の否定」

私はショックだった。

その通りだから。





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