進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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現在完了はムリ?
2021.04.28
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過激なtitleで申し訳ないがこれは長年40年以上英語を教えて来た実感だ。
そもそも外国語はキホンわからない。
わからないのは「単語と文法」を覚えられないから?
否、そのずっと以前の問題がある。
その国の歴史と伝統風俗...根本的には宗教感情を自分なりに理解し受け容れていないなら永遠にわからないまま終わる。だから留学には意味がある。ただ語学習得のためなら日本にいても十分にできる。
情報と知り得た知識でなんとかなる、と考えるならそれこそ英語への冒涜(ぼうとく)だ。
例えば、日本人なら中学で3年...高校でまた3年の合計6年間を外国語である英語を学ぶわけだが、中学1年で「英語の基礎」をやる。それは日本語と違う発音と文章構造だろう。そして「三単現の主語と動詞の関係」+過去形の前半である「規則変化動詞」まで学ぶ。
あとは「語法」や「用例」の知識を積み増しして行く。
日本人にとって最大の問題は中2~中3にかけて学ぶ「現在完了」時制である。
多くの人は「わからないならわかるまで勉強したらいい!」と声を荒げて言うが、随分と勇気あるご発言だ。ご自身は昔現在完了を勉強してどうだったかをお尋ねしたい。
日本人は英語の現在完了時制は永遠に理解できないと思う。短気な人は「オマエも日本人だろう!」と言う。そんな単純なものではない。アタマで理解しても心と感情がついて来ないのだ。
理解できないのは当然だ。
日本語の中に「現在完了」Present Perfectの考えが存在しないからである。
具体例を示す
It has been raining for a week. には日本語で正確に訳すなら3つの訳が出てくる。
「一週間前に雨が降り出した」
「ここ一週間ずっと降っていた」
「今、この瞬間にもまだ降っている」
逆にこの英文には3つの意味を凝縮した意味が込められている。3つの意味を瞬間に言い表すことのできる時間の概念をあつかうのが現在完了の世界である。
いや、ここまで読んでくださった方の気持ちはわかる。
英語は学べば学ぶほど壁にぶつかる....理論では理解できても何故か感情的に受け容れられない....大きな壁だ。
私にとっては中2の港区高輪の中学にいた時がまさにその時だった。西国の外様大名の末裔にあたる友人もいた...高松中学校。
英語のPresent Perfect(現在完了)の考え方は日本語には存在しないのである。
これは昔のゲルマン系の言語にあった「時間に関する」言語の特徴なのだ。
「過去のある時から続き...続いていた...今のこの瞬間はどうなのか?」を一言で表せる。
わかりやすく言えばこれは言語上の「時間のワープ」だ。
過去を今につなげてどうか...を考える。
それが現在完了。フランス語では大過去と言う。
英語の理解が不十分のまま大学の第2外国語の選択をしないこと。
ラテン系の外国語は、日本人にはけた外れに難しい。