進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
-
対岸の火事
2021.04.10
-
TVだけでなくSNSの威力で海外の事件がreal timeで入って来るようになった。これはある意味においてIT革命のもたらした時代の恩恵ではないだろうか。
これは一方で、知った以上は自分の「意見なり立場」を持つことが必要になることでもある。でなければ洪水のようなnet上を流れる情報の大河に飲み込まれてしまい、自分の立ち位置すらわからなってしまう。
また...と思わないでほしいが、Americansは下は小学生から上は定年をとっくに過ぎたご老人たちも「自分なりの時局認識」を持っていることに驚く。
次のような事例があった。友人のAmericanの家庭に招かれて夕食を皆で食べているときに、友人が....自然環境と石油資源の共存だか何だったか..のことを口にした時だった。
その家の小6になる長男が父親の言葉に反応して何か言った。真面目な顔で。
You should....
私の価値観からは信じられない会話だ。自分の父親に向かって' You should..'とは何だ。
親父に言ったら殴られるゾ! いや殺されても文句は言えないだろう。
英語で'You should...'と言う時。
それを状況の前後環境というかcontextを考えずに直訳すれば「あなたは...すべきだ!」になるような詰問調のキビシイ言葉である。
まあ、そのくらい自分の考えて、今自分なりに持っている国際的な事件や戦争について確固たる意見や思いがあるのだ。
言えなければ' Coward'(臆病者・卑怯者)のそしりを受ける。
日本のようにいい大人が、個人の思いや意見など何の役にも立たない。時局を変えることもできるはずもない。今のままの現状維持であればいい。自分の会社が如何に利益が上がるか、それが自分に具体的にどう反映されるか。子供の進学はどうなるか...本当に志望校に受かるんだろうか....と心配し心を砕く。
それが日本の標準であり、限界でもある....
自分自身が日本生まれ・日本育ち..の日本国籍の日本人だからそれが身を持ってわかる。
しかし、同じ日本でも沖縄の人たちの思いはどうだろう?それはかなり本土の我々とは違ったものであることに驚く。まして欧米やアジア諸国の感覚は日本のそれとは180°違うと言ってもいいだろう。
よく言われる「日本の常識は海外の非常識」ということばがある。
日本人は何とボンクラなんだろうか?
歴史的に考えれば、あの太平戦争(大東亜戦争)に敗れた昭和20(1945)年に上陸して来た進駐軍に日本は占領された。
それは軍事・政治だけでなく民事の全てに及んだ。
結果、日本統治と日本の将来の方向性を定めたのが「日本国憲法」だったのだ。
進駐軍・GHQ・アメリカ政府に主導された「押し付け憲法」と当時の日本の共産党・社会党は批判するけれど、いまでは改憲に抵抗しているのが野党なんだから驚く。
恥ずかしながら気が付いた.....
戦後の日本は何かと言えば「アメリカのせい」にして責任回避をしてこなかったか?という恥ずべき事実が多すぎる。
それはすべて「アメリカの核」(ようするに日本に何かあれば在日米軍が敵国に核攻撃を行う)によって日本の平和と経済繁栄が守られる....という日米安保条約によるものだったのだ。
その「Americaの核の傘」の下に隠れながら経済発展をここまでやり遂げたのが日本なのである。
その内政的努力は「かつて戦争までしてダメだったがこれからは経済で!」と言う企業....延いては各会社...究極においては日本人の各個人のガマンと努力に具体化」されたのだった。
それから半世紀の50年いや60年たったろうか....
ようやくたどり着いた今はどうか。
それは考えたくもない悲惨と亡国の現状になって「目の前にある」。
あなた自身と、或いはあなたの家族が大事なら他はどうでもいいのか?
このときによぎる「心の思い」の限界が「対岸の火事」をもってヨシとする日本人の万事に対する対処である。
日本さえよければ....日本人さえ幸せならいいのか。
世界はキホン的にそう思っている。