進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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北海道の道路
2021.01.24
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2年前の晩秋に息子(次男)と交代でクルマを運転しながら北海道の知床まで行ったことがある。1日に500kmを高速(北海道では道央自動車道...のような自動車専用道路)と一般道をあわせて運転するのはなかなか気力と体力を要する。
本土とはずいぶん道路事情が違った。
カーブを感じることがない....右手にオホーツク海、左手にはヒグマの棲む原生林を見ながら何時間走っても景色は変わらないじゃないか。
いい加減にしろよ、と半ば頭に来ておよそ50kmごとにあるS.A.に入るけれど...あるのはvenderとtoiletだけこれはアメリカの西部よりヒドイ。人間がいないんだから。
こんな状況になるとたまに対向車が1台見えたり、2キロくらい先に先行車両を双眼鏡(助手席で..)にとらえるとやたらに追いつきたくなる。だから北海道を走るクルマは信じがたいスピードで走っている。一般道も法定時速50㎞制限のところを平均で80㎞、少し早いなと思うと100㎞でクルマは流れている。
そうウチのほうで言うと下道・一般道は全部が小田原厚木道路のような感覚だろうか。
だからこれが有料道路の「~道路」になるとクルマの能力とドライバーの運転技術の限界に挑戦するかのような運転になるからコワい。
みなアクセル(日本でしか通じない)をいっぱいに踏み込んだ運転をする。80㎞/h制限の道央自動車道や道東自動車道で120km/h~150㎞/hで走っているから驚愕としか言いようがない。
東名高速で150㎞hで連続走行したら、あっと言う間に覆面パトカーの高速隊に捕まる。
北海道はあまりに警察の守備範囲がひろいので、スピード違反の取り締まりはヘリを使う。晴れ上がったドライブ日和には北海道警のヘリが道央・道東自動車道の上空を飛んでいる。
「あれはかなり速いクルマだ!」と思うと高度200mまで降りて上空から「等速追尾」。次のSA.に待機している道警の警察隊に無線で「車種・ナンバー」を知らせる。
この時の送受信の周波数は350.00kHzだが、アナログでもデジタルでもクルマ側に無線機を装備して喜んでいてもダメだ。
「受信」した瞬間にはもう速度違反の検挙に必要な情報がヘリから送信されたということだから....すでに遅し。
刑法の犯罪でいうなら「既遂」。
気をつけよう....日本の最果てに旅して警察に捕まっているんでは自慢にもならない。
30㎞の速度違反で1カ月の免許停止。50㎞オーバーだったら居住地の検察庁にまず呼び出されて「検察官と面接」...罪状の確認。簡易裁判所より上級の「地方裁判所」で交通裁判になる。こうなると郵便局納付で済む反則金ではダメ。裁判官の判決による「罰金」になる。
「カネを払えばいいんだろう!」とすごんでも侮ってもダメだ。
例えば私が持っている宅建(宅地建物取引主任)の資格なら半年とか1年間の資格停止処分になってしまう。
これは軽微な違反である反則金で済む場合に比べて、罰金刑は罪が重く「犯罪者」として扱われるからだ。
運転免許の停止と罰金刑(確実に10万円~50万円)だけでなく、アナタが何か国家資格の仕事をしているなら「資格停止」の処分があり、その期間は資格による仕事は一切できなくなる。
気が重くなるようなことばかり言ったが、北海道のあの気も遠くなるような心地よい広さにはそれなりの用心が必要とご用心いただきたい。
私の友人は一人旅でクルマを飛ばしていて...北海道警のヘリに捕捉され自宅へ帰ってから住所を管轄する検察庁に呼び出され「免許停止+20万円の罰金」だった。