進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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ウミガメが死ぬゾ....!
2020.07.17
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バングラデシュの海岸でまとめて160頭のウミガメが瀕死で或いは死体で発見されたという海外メディアのニュースがあった。ウミガメの胃からは「プラスチックごみ」「レジ袋」がぎっしりつまっていたそうである。
単純に考えれば「プラスチック製品を使うこと」をやめるか、無理なら減らせばいい。
このニュースを流したメディアは視聴者+読者がそう思うことを想定したのだろう。
確かにその通りだ。
自然界に与える石油製品の影響は....それがタンカー座礁のような原油流出事故のような単発的な事故だけでなく、今や地球規模で排出されるプラスチックごみを原因とするものが大きい。
ただ、こうしたメディアがそのニュースによって伝えようとする「石油製品=悪」というは「原発=悪」というステレオタイプの主張に似てはいないだろうか?
私はこの主張...というよりその心情はよくわかる。
でもそれは国や地域によって一様にひっくるめて考えるには少々のムリがある。
日本は高度成長の経済発展で多くの国民が豊かになった。それと引き換えに公害の発生により、経済最優先の人間活動が取り返しのつかない自然破壊を同時に伴うものであることに気が付いたのではないか。
四日市ぜんそく・イタイイタイ病・水俣病...これらの公害はenvironmental pollutionと英語で言うように「自然環境の極端に悪化した(させた)結果の害」なのだ。
日本はあれから半世紀以上をかけて「工場の廃液・排ガス」に対する法整備をし、同時に違反した企業へ厳しい罰則を科すことを実行しようと努力してきた数少ない国だ。
私が幼稚園の頃の東京湾はまだ江戸時代の名残があるくらい美しかった...アマモの繁茂する干潟の浅い海にはハゼ・アイナメ・カレイ・シロギスが無数に無尽蔵にいた。
それが小6の頃には「死の海」と呼ばれるくらい工場廃液と都市の不完全な下水道排水によって汚染されつくした。「奇形ハゼ」とか春先から連日の「赤潮」「青潮」だった。
今の東京湾に戻すのに日本は国力を傾けて50年を要した。
ところが...日本をとりまく諸外国はどうか?
蛮勇を奮って言ってしまおう。実際にこの目で見たんだから否定できない事実だ。
中国(Communist China)では河川や海にゴミを捨てることに何のためらいもない。
家庭の生ごみも工場の廃棄物のすべてを「水に流す」思考でバンバン捨てる。
その結果...中国沿岸の漁業は崩壊。海底はゴミの山と堆積で網を入れても「ゴミの中にちらほら」と小魚が獲れるくらい....そして網に入ったゴミを船からまた海中投棄している。その現場をHong Kongの数キロ沖で見た。
韓国ではソウル郊外で家庭の「生ごみ」を山間部の谷間に埋めてはブルドーザーで土を運んで平らにしていた。プサン港からはタンカーを転用した「都市汚物(トイレ汚泥)」専用船が次々と出港して行く。海上の日本領海ギリギリまで行ってはバルブをひらいて日本側に流し込んでは帰って行くのだ。
フィリピンの首都マニラは田んぼの用水路のように都市部にも住宅街にも「水路」がある。ここでも住民が生活ゴミのほとんどすべてを....ごく普通に河川(いや...ドブ?)へ投げ込むからその汚さと言ったらない。その生ごみや例のプラスチックごみが海の満ち潮・引き潮に乗って流れて行ったり、サケの遡上のようにまた戻ってきたりするからその悪臭と凄まじい汚物の浮遊は一度見たら忘れられない。
せっかく海外旅行するのだから、綺麗なところだけを見て、楽しい体験をすればいいんじゃないか?どんな国にも外に見せたくないところはあるんだから、敢えて探す必要はないよ...
私の友人や近しい人にもこのように考える人間は少なくない。おそらくはこの辺りが多くの日本人の最大公約数的な気持ちかもしれない。
私も一人の日本人として悲しい思いでその事実を認める....
ただ...その一方で「プラスチックごみを減らす」とか「レジ袋は有料で!」とかの努力をしながらも、こういう傍若無人な周辺各国の自粛も何もない自然環境破壊行為を知りながら何の注意も抗議もなく加速度的に進行して行く事実に気づいてもいいんじゃないか?
日本人はもぅずっと昔からこのような状況のときに必ず心に思う。
「自分一人がそう感じても...そう思ってもどうしようもない」仕方ない。
私は絶対にちがう...そうではないと声を大にして叫びたい!
あなたが一人の旅行者として外国にいるとき、その国の人々は...ホテルでもショッピングでもいい...すべての場であなたを「日本人」と見ている。
たとえ「言葉が通じなくても」あなたの所作や態度...人と人とどう接しているかを彼らは見ているのである。
あなたやあなたの家族を通じて彼らは「日本」を見ている。
工業立国の日本が今..どれほど環境を大事にしているかを伝えたい。