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海上保安庁の臨検

2020.06.26

臨検は臨時検査の略である。

海上保安庁は言ってみれば「海の警察」であるが、陸の警察と同じように思っていたらトンデモナイことになる。陸上でクルマの故障や不調などまた燃料切れがあればまず停車。「高速道路ならPAに入ってGSで簡単な修理ならしてくれるし、最悪の場合でもJAFに連絡すれば必ず救援に来てくれる」

だから陸ではしばしの時間の不自由と不便を我慢すればイイ。

海ではそうはいかない。自分の命だけでなく同乗者の生命も危険に晒す。ことによったら海上の他の船舶にも危険や損害を及ぼす可能性だってある。

以下はある船舶免許取得のためのコースの案内にあった「海上での違反行為についての罰則」である。

「....これからの季節はジェットスキーが人気ですが、免許を持たない人が操縦することは禁止されています。
ちょっと楽しくなってきてテンションも上がり「運転してみる?」など言ってしまいそうですが、無免許の人に操縦をさせると免許を持っている人、ジェットスキーの所有者にも6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金が科せられます。無免許で操縦した人は30万円の罰金です。
あとは、船底にたまったビルジを排出する際にオイル漏れがあり漁師さんの妨げになったりすることがあります。オイルが漏れてしまったらしばらく運転しても海面に漏れたオイルが浮いていて誰が垂れ流しているのか発見されやすくそのオイルをたどられ見つかれば違反となります。
その他、酒酔い運転、スピード違反(海上交通安全法では5万円以下の罰金)や免許不携帯、船の点検の時期が過ぎている(1年以下の懲役又は50万円以下の罰金)遊泳場に入ったり、航路違反(海上交通安全法では5万円以下の罰金)などがメジャーどころでしょうか....」

陸の警察なら事情によっては何でもないことが、海では厳罰しかない。

海上保安庁はそうやって「海上での人命と海そのもの」を守っているのが否定しがたい現状なのだから仕方がない。

先日のblogにも書いたが、海上保安庁の所有するフネには尖閣諸島の警備に派遣されるような大型航洋の「巡視船」と内湾用の小型で小回りが利く喫水の浅い「巡視艇」の2種がある。

さらに湾奥や入りくんで水深が10mを切るような沿岸の取り締まりのために「大型ゴムボート」がある。これは海上自衛隊・米軍海兵隊と同じ規格のもの。Mercuryのどでかい船外機を2機がけで信じられない高速が出る。

陸上でパトカーに追われて逃げ切った話はあっても「白バイ」から逃げられたという話は聞いたことがない。

海上保安庁の巡視艇はいわば「海の白バイ」だ。

遥か水平線の向こうから「目視+水上レーダー」でこちらを確認。数百メートルまで急速に近づいてきて一旦減速してブリッジから数人が20倍双眼鏡でこちらを確認している。

ここからはゆっくり半速前進くらいで接近してくる....

ここで「イヤだなぁ..」なんて考えて決して移動や脱出をしないこと。もし動いたら巡視艇は湾の奥の奥...沿岸の水深5mまで追いつめてくるからtargetにされたら絶対に逃げられないと考えるのが正しい。

「そのフネ、停船しなさい!」なんて海上でラウドスピーカーで言われないように。

停船すると巡視艇はまるで船舶免許のtextにあるように「風下」から微速前進でゆっくり近づいてくる....ブリッジの保安官全員が双眼鏡でこちらを熟視しているのがわかる。

錨..アンカーも打たないのにこちらの船の横か船尾側にピッタリつける。
もう神業のような操船だ!

「臨検です。タッパの中に船検証書・船舶手帳・操縦免許を入れてください」と言って巡視艇から長ーいタモがこちらに伸びてくる。

受取ったあと数分間を確認作業をしている海上保安官に任せて、ラウドスピーカーを持った保安官は直接関係のないような話をしてきては「間合い」を持たせている....

「どこから来たんですか?」
「今日のアジ釣りはどんなですか?」
「本当にアジってオイシイですよね?」...のようなたわいもない会話だ。

保安庁の確認がclearならここで無罪放免となる。

巡視艇が一番checkしているのはクルマでいう車検に当たる「船検」をしっかり受けてステッカーを船体に貼って明示しているか?である。

友人に法定の検査を受けて「船検」も無事に通り、船舶検査機構からもらった船検ステッカーをしっかり船体に貼っていたけれども....ある日の入港の際に防波堤にハルをこすってしまい船検ステッカーの「一文字」が消えてしまい、臨検の際に問題となった例がある。

なんと...友人+友人のフネはそのまま清水港の海上保安部まで「曳航」され海難審判庁扱い....罰金10万円(陸の反則金ではない!)を支払った。

海とはそういう厳しさがある。

ちなみに現在駿河湾の「大瀬崎~淡島」のboundaryを警備しているのは清水海上保安部所属の小型高速艇「みほかぜ」である。



赤外線による「夜間暗視装置」を搭載している最新鋭の小型巡視艇。

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