進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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家庭教師
2020.06.22
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大手塾に通ったけれど効果がなかった...でも今更中小塾に行く気にもなれない。
この場合に考えつくところは....最終的に「家庭教師」である。
いつも何かを聞いた時、英語では何か?と対訳を考えてしまい周囲に失礼をしているが、
日本語の家庭教師はどの和英辞典の翻訳を見ても「tutor」敢えてカタカナ表記すれば「テューター」になる。
文化も歴史も全く違うので仕方ないが....実は家庭教師=tutorではないのだ。翻訳は外国語を自国語の一番近いところにある語を当てはめているのであり、誰もが考えるような理想の100%の訳はこの世に存在しない。
これを頑迷なまでに犬はdog...ネコはcatと覚え、その語の使われる状況や使用例をまるで考えない。いわば機械的な訳語を英語学習とばかり思いこんでいる日本人がいかに多いか....暗記できないのはアナタのせいだと言わんばかりに。
もっとも、機械的な英語の勉強をすれば大学入試には合格する。その時点で英文科など英語を専門とする学科(英語学科とか国際関係学部、貿易学科なども含む)の学生以外は大学の一般教養で課せられる4~6単位の英語で単位を取れば英語の義務的な学習からは解放される。
欧米で言う...'Tutor'とは国王や大財閥が潤沢な資金を投じて雇用する「我が家専属の教師」であり、教える対象も「お仕えする主の子弟」であり多くはその広大な屋敷の中に1部屋を与えられている。少なくとも学位として学士か修士のB.A.を持っている信頼に値する人物である。最近では少なくなったが親・子・孫まで3代にわたってそのtutor先生のお世話になったという例もある。
日本の場合はかなり違う。
家庭教師の会社に登録した大学生はもう教えに行く先の家庭では「先生」と呼ばれる。
どこかの大学の英文科に入学したばかりで教職課程も終えていない...もちろんまだ教員免許も持たない学生もみな「先生」になる。
これはエライ違いではないだろうか....
大手の家庭教師の会社でもこれが現状。中小の家庭教師センターになると地元高校でチョッと成績の良い高校生が「小中学生を教える」家庭教師にもなっているから驚く。
この場合、その高校生の時給は大学に在学中でもなく...学位も持っていないその分低くなる。家庭が負担する学費もダウンするだろうが...教える内容の質の問題になる。
私の知る限り、地元進学高校のかなり優秀な高校生が家庭教師センターに採用されて教えた場合....彼らの時給は最高で1750円だ。
数時間を連続すれば高額になるけれど、ほとんどが週1回か2回の単発契約である。
それより...どんなに優秀でもティーンエイジャーの18歳に満たない彼らに小中学生の微妙に揺れ動く心理を理解して適切な指導ができるのだろうか...?という疑念と危機感を感じる。
何を隠そう、私も自営の塾の合間を縫って「家庭教師」をやっている。でも個人的に頼まれた場合のみであるし週1回しかできない。
もう40年近く塾をやって来て思うことは...
家庭教師の意味は2つ。
さまざまな原因で勉強がわからなくなった生徒の救済。
他の一つは...優秀な生徒に極限までのすべてを教え込み、超優秀児を育てる。
実際に私が家庭教師になって教えた生徒の中で2人が医大に進んで今現職の医師になっている。もう1人は歯科医師だ。
彼らがいかに真面目で必死に勉強していたかを今でも思い出す。
私にできることは高校の大学受験を目標にした「英語」をひたすら...のめり込むように教えることしかない。
小中の5教科をまんべんなく教え「よく勉強しています」なんて報告を毎回のように父兄にしている....そんな家庭教師は内部告発かも知れないけれど事実だ。
波風を立てない、そんな教師が良い家庭教師と言われる。
よく「良心の呵責」に耐えられるものだ......
結局のところ学校教員、塾の講師...更には家庭教師も後悔を限界までしなくて済むように毎回の授業で一生懸命に教えるしかないのだろう。
センセイ...と呼ばれる人間は生徒の人生との許された「ほんの一瞬」の時間に..あたかも
味の素のような調味料的な役割を果すに過ぎない。
それが生徒の人生に大きな花を咲かせるか、なんでもなかったか...
神のみぞ知る