進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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2つの中国..?
2020.04.29
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私が何かの文章の中で...中国(大陸の方)のように書くことに気づいた方も多いと思う。
結論から言うなら歴史上「中国には2つある」という事実だ。
そして戦後生まれ、すなわち生年月日が1945(昭和20)年より後の日本人がほとんどになった今では中国は中華人民共和国(大陸にある)ただ一つと当然のように思っている。
これは戦後の文部省(いまの文科省)が検定した歴史教科書で学んだ結果であるから決してそう思っている人間の責任ではない。
教育の最前線にいる仕事に毎日かかわっていると気が付くのだが、学校教科書の持つ意味は実に重い。世の大人..一般の日本人が思っているより遥かに大きい。
特に義務教育( Compulsory education )の中学歴史教科書の持つ意味は大きく、この発展として高校日本史・世界史の歴史教科書が続く。
だからたびたび「歴史教科書」の記述をめぐって国内で裁判になったこともあるし、こともあろうに外国の大陸中国や韓国が日本の教科書内容に反論したり修正を求めたりもした。これこそ立派な内政干渉である。いい加減...黙ってほしい。
そのくらい記述が難しいのが「アジア...日本」の近代史なのである。
その証拠に...これは誰も問題にすらしないが、高校の歴史は「日本史」と「世界史」の2つに Clear Cutされていて「アジア史」とか「東アジア近代史」のテキストは存在しない。
この分野をもっと詳しく学びたい...と思うなら大学の歴史学科とか史学科に進学して学ぶしかないというのが今の日本の歴史を学ぶ学生の現実である。
このあたりの歴史教育divideについても誰も言わないなぁ。
個人的なことで恐縮だが、この故に私は大学の史学科学生として入学し2年間を「日本・中国・韓国」の東アジア近代史について本当に必死に調べ学んだ。
その回り道に見えた2年間で気づいたこと....
信じ難いことだが、日本人の多くが考えている中国は「地理的」に存在する一国でしかないことに気が付いた。
心ある方は中国の近代史をPCでsearchしていただきたい。
歴史教科書で「日本軍が(99%は陸軍だが..)」とある中国進出(侵略?)の時の相手は今の「中国」ではないことに気が付くだろうか?
時の中国は「中華民国」であり、日本軍が対戦した相手は「中華民国」の「国民党軍」だったのだ。
今の「中華人民共和国」の「共産党軍」である「人民解放軍」ではない。
天皇陛下の終戦の詔(みことのり)により日本の敗戦...武装解除...将兵の復員となった。
日本軍が大陸からまだ完全撤退もしないうちに、中国は毛沢東率いる共産軍(八路軍)と蒋介石が率いる国民党軍に分かれ「国共内戦」の泥沼になった。
1941(昭和21)年の末には蒋介石の国民党軍は可能な限りの船舶を動員して台湾に逃れた。この際には「清王朝」まで伝わる中国歴代王朝の「遺跡・遺構」から取り出した中国の「宝」を台北に運んだ。
日本で言うなら「壇之浦の海中に没した三種の神器」だろうか...
約80年前のこの近代史の出来事で中国は二つに分断された。
歴代中国皇帝の権威を引き継ぐ中華民国(台湾)
地理的に広大な大陸を支配する中華人民共和国(俗称:中国)
ここで日本としてどちらを正統・正式の中国とするか...について揺れに揺れた。
結果....貿易の利を取って日本政府は大陸の共産党の指導する中国を「中国」と称するようになった。
日本人としてはこの難しい歴史を是非にも理解し、わかっていただきたい。
中華民国(台湾)には明治以来、日本は国費(国の税金)をもって「港湾・道路・病院・学校」を建設し、日本人官吏・教員・医師・看護婦を派遣して台湾の民生の向上のために尽くしてきたのだ。
だから今でも「親日の台湾人」が極めて多いのだ...
忘れてほしくない....明治から昭和まで内地の生活や自分の子供たちの教育もままならない時代に...たとえ植民地台湾とはいえ、ここまで本国の財政と人材をつぎ込んで繁栄して欲しかったからこそ台湾を支援したのだった。
だから...希望的な思いかもしれないが
中華民国(台湾)の日本への思いを大切にすべきではないだろうか。
今の日本政府が大陸中国との貿易・観光の落とす「利潤」に目がくらんで欲しくない。
関係ないが私はキリスト教徒だ...「大陸中国の落とす利潤」こそ新約聖書に言う「毒麦」ではないのか?
今でも全世界の中で中華民国(台湾)とトルコだけは無条件で親日である。
そのあたりの理由もネットで調べればよい学びになるだろう。
大事なことはネット...SNSの中に埋没して「自分」がどこにいるのかを見失わないこと。
あなたは...どこにいるのか。
右か....左か
関係ない。
祖国は我が祖国である。