進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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People ...I met
2020.03.21
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人間は非日常性の中に現状を乗り越えるヒントを得る。
私は今回僅か「3か月の理系工業系」の勉強を通じて大きな覚醒を得た思いである。
自塾の生徒を指導しながら合間を縫うようにして作った時間での勉強だった...
でもだからこそ、その限られた時間のなかで偶然にであった人たちとの「一瞬の出会い」は忘れがたいものとなった。
まだ春は遠い清水の講習会で出会った人たちは...多種多様の経歴の持ち主だった。多くは理系の大学・大学の工学部卒・高専で工学専攻..或いは実際にいまプリンターインク製造などの最前線で働いている人などだった。
私がこれまでお付き合いのある文系・教育系の人間とはまったく違う。
能率・効率を最優先に考える「異人たち」だった。失礼....
彼らは「理系・工業系」の人たちばかりで、今まで私の周辺にいた学校教員、出身大学のOBとは全く違う...それこそ180°違う
だった。
異文化コミュニケーション...inter-culutural-communicationという科目が大学にある。ここには英文・国文・法学・経済・歴史...などおそらくその大学のすべての学部から「ものを考える」学生たちがこの科目を選択して集まってくる。
僅か「2単位」の科目でもその効果はバツグンである。
それは「人種・宗教・歴史・習慣(慣習)・言語」が違う人間同士が、それでも摩擦なくお互いの存在を認めるところから出発することを教える。
さらに相手が自分とはまったく異なる思想や考え方...究極的には「価値観」がこれでもかというくらい違っても相手を否定しない。
相互に信頼し、相手の人格を尊敬をもって認める。
これはできそうに見えて実は非常に難しいのではあるまいか?
私を含めて日本人にはおそらく最高に難しい。
それは日本の周囲を海に囲まれた地理的な条件+長い間同じ日本人同士だけで暮らしてきたことにその原因がある。
「同質・同条件」で仲良く伸びていくことには素晴らしい力を発揮するが、一方で「異質な・自分と条件を異にする」もの・国・人間には激しい違和感を持ってしまう。
ここでも「同じ違和感や反感」を持つことで安心している信じがたい精神構造。
これが日本の長所であり短所でもあるのだ。
同じ会社や組織にいて新しい考え...或いは周囲とは異なった発想や能力を持つ誰かを「胡散(うさん)」臭い目では見ていないだろうか?
そこから何かを学ぼうとしない。自分の立ち位置を頑迷なほどに守ろうとする。
同じ人間である以上、外国人にもこの傾向はあるけれども日本では驚くほどその傾向が強いことは忘れてはならないだろう。
外国人との個人的付き合いだけでなく貿易など商業行為においての「摩擦」が起きる最大の原因がここにある。でも...自尊心の強いわれわれ日本人はなかなか認めたくはない。
それが世界中から奇異の目で見られるのは極度の「均一性」「横ならび..安心」を求める日本人の精神構造なのだ。
日本の長所は長所として大切にしつつ、多様性を認め合うことを人間対人間の個人的関係にまで広げる努力が是非とも必要な時代になった。
お山の大将...ではあまりにも寂しいではないか。
自分がお山の大将になっていることに気づかないことはさらに悲しい。