進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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ハーフ(Half)であること....
2019.11.25
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日本は本当に特殊な国である。
それは周囲を見回しても「同じ目の色・髪の色・皮膚の色」の日本人ばかりで、価値観や宗教観までが同じ人間で囲まれていることだろう。
毎日を日本の地域社会に埋没..というか一員として送り、定時に出社して帰宅する...その
日々の繰り返し、それがある意味日本社会の「安定」につながっているようにも思える。
だから「均一」を社会・会社・学校・地域...で最も大切なもの....まるで「保険証」のように考えてきたのが日本の伝統的価値観なのではないだろうか。
社会構成員が「同じ民族・同じ歴史と文化・価値観と宗教観が類似」であればどれほど社会は安定して、国としての運営と指導は楽であろうか....
誰も言わないが、日本の近代の繁栄の理由と原因はココにある。
現実問題として歴史的な責任として「在日中国」「在日コリアン」と先住民「アイヌ」の問題があるが圧倒的多数の日本人の数的powerのゆえに霞んでしまう....
それよりも喫緊の問題は「国際結婚」である。
前述したように日本は長い間海に囲まれた島国であったから「国際交流」とか「国際結婚」に慣れていない。
最近の小中学校には...そう...地元の伊東においてさえも、両親のうちどちらかが外国人という...古い表現では「混血」の生徒がクラスに必ずいるようになった。
古い順には...まず、日本の大陸進出による「韓国・中国」系の在日の人たちの子孫である子供たち。
次いで1945(昭和20)年の敗戦で日本に進駐してきた連合軍兵士を父とする混血児。
更には日本の経済力が高まるにつれ...貿易のため海外と日本を行き来する日本人と現地の東南アジアの女性との間に生まれる子供たち。
長い間...本当に長すぎるくらいの間..日本は日本人だけのものという固定観念でやってきたのだ。
そこへ、あたかも日本の近代史の責任を証しするかのように「3つの時代」の混血の子供たちが迫って来ている...そんな風に考え感じるのは私だけだろうか....?
私の母の親友は、あの大磯にある「エリザベス・サンダース・ホーム」の出身で戦後の長い時間を苦しみ差別されながらも必死に生きてきた。
大学時代の英文科でともに机を並べて勉強したA君は「在日」のしかも北朝鮮の出身であった...。
彼は日本の公立の学校では平和に勉強できない...と考えてあらゆる手づるを使い高校までを在日米軍の基地内にあるAmerican Schoolで終えた。
A君は知識のすべてが「英語」で学んでいたから、日本式の英文法の習得には命がけで..と言うくらい苦しんでいた...私は持てるすべてで「戦友」のA君が卒業できるよう支えたものだ。
私の英語...それ以上に人生そのものに大きな影響を与えたのは..父がAmerica海兵隊で母親が日本人の親友でありAmerican Englishの先生でもあったL君だ。
彼は自分が日本人でもAmericanでもないこと...に全身全霊で苦しんでいた。
日本人社会では「ガイジン!」と言われ、Americanのなかでは「Half !」と呼ばれる。
そのときに初めて私には日米混血の彼の心がわかった。
日本人には「異端・異人」...日常にはないパンダ扱いされ、Americanの社会では有色人種の血が混ざった「汚い存在」と言われる。...いや異論や反論はあるだろうが当時の事実だ。
それを受け入れがたい日本の「日本は日本人のもの!」というガチガチの固定観念がこの半世紀の50年間にどれほど多くの....苦しみ・嘆き...を生んできたことだろう。
皆さんに申し上げたい.......
異なる国の父と母に生を受けた「こども」に何の罪があるのだろう?
日本がますます国際化して行くなかで、必ず生じるのが「国際結婚と生まれてくる子供をどうするか?」という問題であろう。
子供に罪はない.....