進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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Hong Kong in confusion...(混乱の香港)
2019.11.19
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香港がまだイギリス領だったころに行っておいてよかった。今の香港の治安状態では外国人の観光客であっても何が起きるか、どんな目に会うかわからない。
皆さんは今の混乱を極める香港情勢をどうお考えだろうか....?
私は個人的な意見として一言「残念」だ。
歴史的に香港はHong Kongであり、アヘン戦争の結果当時の中国であった「清王朝」から戦争に勝利した英国が分捕ったものだ。
麻薬の「アヘン」を清国の人々に高額で売り付けておいて、これを正そうとした清国の役人「林則徐」が英国商船を襲いアヘンを没収・海中投棄したことに腹を立てた英国が艦隊を派遣して戦争を始めたものであった。
言っておくが...あのイギリス(大英帝国)は決してアジア・アフリカ・太平洋でCharity(慈善)を行ってなどいなかった...これが歴史の事実である。
インドのムガール帝国の末路、インドシナの英領「ビルマ」のその後を見るがよい。
あのアヘン戦争も当然のことのように起こるべくして起こった。今では「戦争になるようにイギリスが仕組んだのではないか」という研究もされている...
何だか1940年のころ...日本がいやでも戦争を始めるように仕組まれたのでは...という最新研究の「あの話」と似ていてイヤになるのは私だけだろうか。
またこちらに話が行ってしまいそうだ。
閉話休題としよう。
...という訳でイギリスは香港をHong Kongと英語で表記し、対岸の九龍も含んでその後150年間にわたり植民地とした。
この英国による統治は何と昭和16(1941)年に大陸側からの日本陸軍の攻撃によってその年の12月25日(Christmas)に英国植民地守備隊が降伏することで中断した。
もう今の日本では誰もこんな史実を語る人はいないだろうなぁ...語ることを昭和27年に日本人に禁じた大国があった。
そして1945年の8月15日に日本が連合軍に降伏してからは「植民地Hong Kong」が復活したわけである。
香港は行って見ればわかるが本来「何もない亜熱帯の南部中国の島」である。アヘン戦争で中国(清国)はイギリスに敗れはしたが、その時の降伏条件でイギリスが香港を欲しがっている...と知って条約締結にあたった役人も満洲貴族たちも喜んだそうである。
「あんな、何もない...あるのは南の海と肺病(当時この地域では結核が流行していた)の島を野蛮人ども(東夷西戎南蛮北荻....といって中国人が世界で最高最大の文化人と考える中華思想がいまも根強く残る)が欲しがっているなら与えるのに何の差しさわりもない。アイツらはバカではないのか?」.....と言ったそうである。
そして太平洋戦争(大東亜戦争)後もHong Kongは英国植民地として英国の陸海の守備隊に守られ「世界の中継貿易」の中心として栄えたのだった。
香港には英国総督府が存在して本国から派遣された「植民地総督」が南京条約の有効である限り、治安と繁栄に責任を持って励んでいた。
私がまだ若かりし頃に行ったHong Kongはまさに「最後の総督」と呼ばれたパッテン総督の時だった....
この世のすべてのものは滅びる瞬間が「美しさの極み」...Its the max of the beautyと言われる。
晩秋の紅葉の最後の一葉が散る瞬間...
真っ赤な太陽が水平線に沈むそのときに...瞬間、最高に光り輝く。
あの時....British Clown Colony(英国植民地)の終焉を迎える香港にはそうした「美しさ」が漂っていたことを懐かしく思い出す。
同時に友人になった通訳の香港人のMさんは...とても恐れていた。
恐れる相手は外国でも日本でもない。
本国の北京政府であり、本土の中華人民共和国を極度に怖がっていた....
「一国二制度...社会主義と資本主義の同時存在を認める..なんてあり得るのか?
香港の返還後も本土とは違う「高度の自治」を本当に保障してくれるのか?
本当は「香港が持つ豊かな経済力」が欲しいだけではないか?」
Mさんの懸念と心配はすべて現実化してしまった....
過去の「天安門事件」は強力な報道管制と北京政府の圧力によって、多くの事実が伝えられることなく消去されてしまった。
でも今回の香港は違う。
Hong Kongなのである。
日本をはじめ多くの外国人journalistが身の危険を顧みず...滞在し取材してはnewsを本国に送っている。
現場のHong Kong Chinese(あえて香港人と言うべきか)もSNS、netを通じて全世界にreal-timeの状況を伝えている。
ゆえに北京政府は天安門の時のような「戦車で学生を轢く」ような蛮行はできない。
ただ、香港の武装警察力でも騒乱を鎮圧できなくなった時には...ためらいなく人民解放軍の精鋭部隊を一気に導入して「制圧」することだろう。
その為の大部隊はすでに香港の近くに終結を終えている。
「香港人が何万人死のうと...大陸中国の中華人民共和国が崩壊するよりましだ」とする北京政府の根本的考えは天安門の時と何も変わってはいない...
このあたりの情報を日本のmediaは何も伝えていない。
一体、日本のTV・新聞はどうかしてしまったんだろうか? それでも日本人か!
与党の政治を見張るだけがその役割と考えているのか?
何か..何ものか...を「批判するだけ」で混乱が解決して人間がみな幸せになる..とでも思っているのだろうか。
Hong Kongの人々の今の苦痛はそんな「批判」で救えるのか...と私は敢えて訊いてみたい。彼らが誰かを「批判」して或いは「批判に賛同して」現実が改善されるのだろうか。
Hong Kongの現実を見て...本当に驚き、shockを受けて思わず涙ぐむ....
その一粒の涙にこそ....未来への希望があるのではないか。
私にはそれが具体的に何なのかまったくわからないけれど。