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進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室     の日記

カンパチ...やったぜ!

2019.10.25

東京にいた小学生のころには釣りに行けないと父に連れられて上野公園の不忍池の西側にあった「上野水族館」に行った。本当によく行った。

文字通りに丸1日を過ごすものだから母はやがて行かなくなった。あのころは、まだ葛西の臨海水族園や八景島シーパラダイスなんてなかったからなあ。

父子して数時間座り込んで見あげていたのは「アジ・ブリのなかま」が泳ぐ大水槽だった。これがそのまま後年に自分が駿河湾で追いかける目標の「サカナ」になろうとはこの時は夢にも思わなかった。

そこで特に目の前に泳いでくるたびにジッと見つめてしまうサカナがいた....

それがカンパチ。色も形も違うから目立つサカナだ。

何と言えばよいのか...他のブリ系のヒラマサやブリと比べて「体高がある」。そう、淡水魚のヘラブナとマブナの違いの海versionだろうか。そして魚体の色には「鈍く光る赤っぽい」新しい10円硬貨のような周囲のサカナを威圧する重厚さがある。

ものの本によると、最大長1.5~2mに達するという。われわれ釣り人が一人でフネを操縦して沖へ行き釣り上げられるのは1mくらいまでが限界だろう...海中に引き込まれて命がアブナイから。

カンパチ頑丈な体型はブリより「恰幅」がいい。体高があることがわかる。

これがカンパチ。正面から見ると顔の紋様が漢字の「八」のように見えるから「カンパチ」というのだ...と昔西伊豆で教えた生徒から聞いた記憶がある。

今回のカンパチは奥駿河湾では2回目になる。

もう10年くらい前に初めて釣った時を思い出す。この時にはまったくカンパチを釣ろうなどとは思っていなかった。

あの時はアジを釣ろうと...でも「秋には大物がくるから仕掛けは頑丈に!」という先代のmarina社長から言われていた。

「仕掛けが頑丈だとアジの釣果が落ちるかな..」と思いつつ準備だけはしていた。かかったアジにカンパチが飛びつく...そんな感じで釣れた記憶がある。その時は65㎝だった。これが第一回目。

今回は釣りのM師匠がその海域で3本カンパチを上げた...という情報があったので、初めから対策の「太仕掛け」を準備した。

この時期のブリ・ワラサにせよカンパチにせよ...エサになる「アジ」を釣らなければ話にならない。

「丁寧に」釣り上げた小型のアジに「背がけ」「鼻がけ」でハリをアジの魚体にチョンがけして仕掛けを海中に入れるので「泳がせ釣り」とも呼ばれる釣法が一つ。

もう一つはアジ釣りの仕掛けを'Rein forced'(強化)したもので、「ハリス8号」を平気で使う。道糸10号くらいかな...大物専用サビキ仕掛だろうか。

これはちょっと見た感じでは絶対にサカナが素通りするだろうと思われるくらい「ど太い」仕掛けなのだ。伊東や沼津のイシグロ釣り具でも誰も買わない。

私が今回使ったのはまさにこの「太サビキ」とか「落とし込み」と呼ばれる釣法だった。

ようするに、これは一旦アジを釣りあげて「選んで餌付け」ではなく...「水深30mでアジがかかったらそのまま待つ」と言う...epock makingな釣法である。

前回のアジ釣りではそれこそバチンバチンと大物に仕掛けを切られたので、今度は初めからアジの釣果が多少落ちても(アジは目がイイから..)かまわないと考えた。

超「太サビキ仕掛」である。

これにクッションゴム(失礼、釣り人しかわからないだろう)を仕掛けの途中に入れる。

要するに「ブリ・カンパチ・ヒラマサ」のような大物を海底付近でかけてから、フネにあげるまでの数回...数十回ある強烈な「引き込み」の瞬時を耐える...仕掛けが必要だ。

クルマでいうなら「ショックアブソーバー」の働きをするのが「太クッションゴム」。

前回は...1匹も釣れなかった(すべてかかって30秒も持たず)仕掛けは「ブッチギられていた」ことを反省し教訓として全部の仕掛けに「太クッションゴム」を配備した。

大瀬崎近くでこのカンパチの大物は釣れた。

今回はフネは私だけの「1人フネ」。周辺に師匠のフネもいない。マリーナの仲間のフネは別の海域にいる。

頼むは自分だけ....

アジが水深30mでかかった..のがわかる。そのまま丁寧に5mほどリールを巻き上げてくる途中で「アタリ!」

いや...あれは「アタリ」なんてものではない。

「ガガ―ン!」....1発目の強烈な引き込みで海に落ちそうになる。

両足を踏ん張ってこらえる。ロッド(竿)には尻手と言って、最悪の場合海中に落ちても手繰ればロッドだけは回収できるように細いロープがつけてある。

まあ、工業系で言う' Fail safe 'を考えられるだけ全部やるということだろう。

前もって専用両軸リールの「ドラグ」は緩めてある。これは大物がかかった時の用心でハンドルを巻いても「一定のtensionで空転してline切れを防ぐ」働きをする。

20か25mでかかったハズが「リールの水深counter」は50mを越えた..ようするにカンパチがアジに飛びついてハリに掛かり海面から50m先を抵抗しつつ泳いでいる..わけである。

ここで焦ったら、1週間かけて準備して...作戦(笑わないでいただきたいが釣りは戦争と類似点が多い)をたて、前夜に塾を終わって睡眠時間2時間で海に出たかいがない。

リールのline(糸)がカンパチが暴れるたびに「ジュッ!」といってドンドン出て行く。

瞬間...昔読んだ' Old man and the sea '(Hemingwayの「老人と海」)のあのsceneを想起する...医者になった親友のMK君と伊東高校時代に苦心して訳したっけ...懐かしく思い出すなぁ。

....どころではない。

喫緊の問題にして急迫不正の侵害...から立ち直るにはこの現実に打ち勝つことである。

私は自身がいま「若造」でなくてよかったと思った...何故って?

若いころの私なら、それこそ力まかせに1mのカンパチと勝負していただろうから...

どんな頑丈な仕掛けもブリやカンパチを力まかせに...強引に釣れるほどの強度はない。
釣りの仕掛けはフォークリフトやクレーンではない。

力勝負の仕掛けや頑丈以上のリールならそれはもう「釣り」にアラズ。

強度はギリギリのmarginalに抑えてある。

常に確実に人間の勝ち...とわかっていたら面白くない。

父..いや「オヤジ」と呼ぼう。

オヤジが50年も前に言っていた言葉を思い出す「サカナはなぁ...命がけで来るんだゾ!」「オマエが真剣に全力で釣らないでどうするんだ!」

お父さん...ゴメンね。

カンパチやワラサが釣れるようになってようやくわかったよ....

あたかも走馬灯のように記憶が明滅していると、カンパチは死力を尽くして抵抗を試みるではないか...すばらしい闘志だ!

オマエなら韮校の理数科受かるゾ!と思ってしまう。

水深10mくらいで最後の全力を尽くしての抵抗だ! 

何度も海に落ちそうになりながら...水面でタモ取り。

好敵「カンパチ」を釣りあげた...その瞬間であった。

つくづく思う。

「釣り」は漁業ではない。それによって自分は生活していないから。
「釣り」は競争にアラズ。あなたは勝ち・負けで釣りをするのか?


カンパチの刺身はこの上なく美味で、家族はみな大喜びした。

身にはほんのりとした上品な甘みがある。

これほど食感がよいお刺身が他にあるだろうか。

カンパチは特にエビを好んで食べているので体色が他のブリ系のサカナとは違う。

だから「赤みを帯びた灰色」なのだという学説がある。












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