進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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English Songs...with lyrics
2019.09.05
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長い間、英語を教えていると不思議なことに気が付く。
それは学校の英語のテストはあまりできなかった生徒が、急に発音がよくなって中には私よりアメリカ的な英語になって行くことが実例としてあることだ。
「キミ....急に英語の発音がよくなったけど、夏休み中にアメリカにでも行ってたの?」
と訊くと「ちがいます」と言う。
原因は「歌」だった。
それもAmerican Pops....大好きなsingerやgroupができて、CDやDVDを借りて来ては自分の部屋にこもって聞いているうちに、英語の歌詞を知りたくなる。
そうなるとAmerican Pops with lyrics(英語の歌詞つきの)ものを見たくなり、やがてカラオケのようにwith lyrics(英語の歌詞つき)を見ながら歌うようになる....
昔から「好きこそものの上手なれ」というが大好きな英語の歌を「英語字幕のように歌詞」を見ながらくり返し歌っているうちに....気がついてみたら抜群の発音の良さになっている。
この現象は古くはあのThe Beatlesのころ...そう今から40年以上前に、既にあった。
当時の中学校や高校の英語の先生がたは、失礼ながらイギリスかアメリカの大学へ留学経験のある先生でないとnativeの発音はできなかった。
それなのに、急に抜群の発音になる生徒が各クラスに1人か2人出てきた....から随分と驚いたらしい。
悔し紛れにだろうか「あのだらしない格好で長髪の西洋乞食のテケテケ音楽!」なんて激しくBeatlesをこき下ろしていたものだ。
ところがそのBeatlesの熱狂的fan(もう新興宗教の信徒のようだ!)だった私の友人など、明けても暮れてもBeatles....お小遣いをためては買ったrecordを宝物のようにしていた。
そして学校帰りに「本当に信頼できるトモダチ」だけを呼んでは自室でBeatlesを聞かせてくれた...いやぁ...あの秘密の空間はまさに「昭和の隠れキリシタン」そのものだった。
今などDVDやPCのAmazon Prime muisicで瞬間に一切の雑音なく曲が再生できるが、当時は違う...stereoか経済に余裕がなければmonoral playerだった。
recordに傷をつけないように細心の注意で「ハリ」を置く.....
「かすかな...ザ..ザ..」というnoiseのあとに♪Beatlesの曲が始まる!
♪...Close your eyes and I'll kiss you ,tomorrow I'll miss you...♪ のAll My Loving
なんて初めて聞いた時には...そう雷に打たれたようなshocked...だったことを思い出す。
Beatlesはそれまで「抑圧されていた精神」の音楽版の解放であった。
今の60代以上になるのか...その影響は音楽のみならず、英語の世界的普及、若者の精神そのものに与えた影響の大きさはもうはかり知れない。
そして今の世代はその「影響」を受け継いでいることにさえ気づいていない。
また話が「英語の発音」からBeatlesへズレて行く。
....というわけで熱狂的Beatles fanの中高生は抜群に英語の発音がよくなったことは歴史的な事実だった。
因みに英語ではこのような現象を...Epoch making と言う。
昔の英語の先生がくやしがった「テケテケ音楽」も英語の音声学的教育の成果からすれば非常な「効果」を生んだわけであった。