進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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英語の歌の効用...
2019.06.13
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Merits of the songs of English...と訳せるが、日本語になって使われて行くうちに英語の' merit 'は意味が変化して' advantage 'の意味で使われるようになっているように思うのは私だけだろうか?
実際に塾生から「相談」されているのが、中学校の授業で英語の歌を歌ってばかりいて「英語の授業がまるで音楽の授業」のようだ...もっと文法や訳(英文和訳)をやって欲しい...というものだ。
私には中学校のこの英語の先生の考えがよくよくわかる。
第一に英語は完璧以上に外国語なので、勉強を始めるにあたりかなりの「決心」が必要だ。だから、授業の初めに時々「英語の歌」...could be American popsあたりで一曲生徒と教員が歌う...と言うのも単調になりがちな英語の授業に刺激となるだろう。
問題はその回数と時間である。
今の中学校は完全週休2日制だ。「ゆとり」が増えた......と思われるだろうか?
それは当初「土日は休み」を導入した国(文科省)が考えたバラ色の予想だった。
実際に増えたのは「部活動の時間」と運動部の「対外試合」だ。
土曜日が毎週休みになったからと言って、親子で学校や家庭を出てより広く濃密な社会体験の場が広がる...なんて言う文科省の予想通りにはならなかった...という現実がある。
親は忙しいのだ!
本当に忙しい....文科省も国もその現実を何もわかっていない。
どこに「毎週の土日」に家族全員の旅行をしたり、アウトドアの「~体験」を親子で参加できる「ゆとり」があるんだろう?
国は文科省は何もわかっていない。
でも完全週休二日制は実行されている。
その「しわ寄せ」が小中高校の授業に避けがたい影響を与えていることに誰もきがつかないんだろうか?
私の専門教科の英語では...かつて土曜日も午前中に授業があった時代に「2時限」かけて教えていた内容を「1時限」すなわち...たった1回で生徒に教える。
....いや「教えなさい」という無言の圧力が常にある。
だからハッキリと言うなら「もう、時間一杯」という現実のなかで「英語の歌を歌って」いる余裕など全くない。
塾ではその不足する文法力を....どう各自の学力に応じてつけるか...に悩みぬく。
英文の読解力...特に「長文」の読解力をどうしたら身につくか...実はそれは「生徒の国語の力」の上に成り立つとは、多くの親も本人も気が付かない。
ここで言う「国語の力」とは文字通り「その人間の持っている日本語の力」という意味である。
漢字が書けず、敬語法が使えず、文章が書けず、逆に文章を読んで筆者の意図を読む訓練をも受けていない....
「表題を与えられる文字数制限」の作文など....何をどう書いてよいかわからずボーっとして終わる。
行き詰ってマニュアル本を読んでも....解決には程遠い。
母国語である「国語」にしてこのありさまである。
私たち....日本人は...苦しいけれど日本語の絶え間ないレベルアップによってしか「知的作業」である勉強の工場は望めない。
確かに「英語の歌」を好きになると、英語の発音は飛躍的に良くなる。英語の音感も向上する。
でも、本来の勉強にとってかわるほど重要なことではない。
ここのところをよくよく考えて頂きたい。