進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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船外機...outboard motor(興味のある方のみ)
2019.06.12
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中型・大型のフネは船内機(フネの内部に機関室:エンジンルーム)があるが、小型の船舶では整備性の良さや重量が軽くなければならないから、半ば自然に「船外機」を取り付けられている。
私の「漁船風プレジャーボート」も当然船外機仕様である。搭載ヤマハ8MC。
生産量と流通量ではヤマハがトップで40%、続いてスズキが15%次にはホンダとトーハツが続く。Mercuryはアメリカの会社だからよくわからないが2ストのエンジンではよく見かける。
船外機の歴史は意外に新しく1909年というからちょうど100年くらいか...それまでの人力による「オール・櫂」或いは「風まかせ」の帆船に比べたら、小型のフネに独立した内燃機関のエンジンを船外機として取り付けられるんだから...これは大変な発明だった。
ただ...エンジンの燃焼方法によって2サイクル(スト)4サイクル(スト)そして軽油を燃料に使うディーゼルの3つにわかれた。
船外機は「小型・軽量・より大馬力」を考えるなら、2サイクル(2スト)エンジンになる。
2サイクルエンジンはさらに燃料を事前に50:1(ガソリン:2サイクルオイル)に混ぜたモノを使う「混合燃料式」、他の一つは「ガソリン・オイル」が別タンクになっていて、スロットル(クルマのアクセル)開度に比例してオイルが供給される「分離式」にわかれる。
2サイクルエンジンの良さは「構造が簡単」「整備が容易」「重量は同じ4サイクルエンジンの3分の2」「部品点数が少ないので故障が少ない」...など。
例えば私のフネに取りつけてあるヤマハの8MCは約27㎏。同じ馬力の4サイクルエンジンだと約50㎏となりとても取り外して自分一人で運べる重さではない。
今までに過去10年間に3回不調になり沼津港にある「沼津港(みなと)マリーナ」のメカニックのお世話になったが、この時のも乾燥重量27㎏のお陰でクルマのトランクまで運び修理に出すことができた。
因みに、ヤマハの生産した最後の船外機機種が私の船外機にあたる。もう、ヤフオクで程度の良いモノを探す以外に同じ船外機は手に入らない。9.8馬力の2サイクル船外機になるともう「宝石探し」のようなもので、オークションにでないし、もし出品されても瞬時に誰かが買ってしまう。
このように2サイクル船外機が根強い人気がありながら、各メーカーにおいて生産されなくなってきたのには理由がある。
それは「環境への負荷」が大きい..と言うのが最大の理由である。国の法制が「環境第一主義」になり「人間第一」ではなくなったことによる。
船外機の構造上「航走中に海水を吸い上げエンジン部分を冷却する」「冷却した後の海水をスクリューの中心部分から海中に排気ガスとともに排出する」
この基本構造は4サイクルと2サイクルで違いはない。
しかし、2サイクルエンジンではシリンダー内の潤滑に使われた「エンジンオイル」が排気ガスとともに海中へ排出される。この時のうっすらと海面に浮かぶ2サイクルオイルが海の汚染につながる...という理由による。
海外ではまだ日本ほど規制が進んでいない国では2サイクルか4サイクルかは全くの自由で、ほとんど2サイクル船外機という例も聞いた。特に東南アジア諸国+アフリカ。
理由は4サイクルエンジンは構造が複雑で修理できるメカニックがいない...だから過酷な使用に耐え、故障が少なく修理も簡単な2サイクルエンジンが好まれるのだそうである。
...とは言え、時代の流れは船外機も「静か・排気ガスがきれい・燃費が良い」4サイクルエンジンになって行くだろう。
ただ...重くて大きいなぁ。
PS:船外機の燃料はガソリンだ。それも「レギュラー:Premium」ガソリンに限る。
ごくまれに「ハイオク」ガソリンを入れている人がいるが意味がない。一部の
輸入船内機の場合にハイオクの燃料指定があるだけだ。沼津港(みなと)マリ
ーナのメカニックによると「昔の(ハイオク)のimage」がいまでも根強くの
こっているのでしょう...とのことだった。