進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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ウグイス
2019.05.12
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もう10年ほど前になるが、何故か夜眠れず連日の睡眠不足になった。頭痛と肩こりがひどくて日に何度もアスピリンを飲んでいた。血圧の「上」「下」両方ともグングン上がった時期だった。塾でもあのころいろいろあったからなぁ....
やむなく専門医の診察を受けることに...
医師「...そうですか。朝は決めた時間までしっかり眠れていますか?」
私 「いいえダメです。夜明け少し前からウグイスがうるさいんです」
医師「エッ...それは贅沢な悩みですよ。いい声なんじゃありませんか?」
私 「まだ暗いうちから頭の上のほうから....ホーホケキョと元気よくですよ!」
というやり取りを思い出す。優しく理解力に富む名医だったけれど、それでも患者の置かれた最前線の苦しみはなかなかわからない。
私もウグイスは好きだ。ウグイスは姿よりその「声」が素晴らしい。
2月の半ば、まだ早春と呼ぶには寒い朝に聞こえるウグイスの初鳴きは..「ケキョ」だ。
これが3月を過ぎ4月に入ると「ホーホケキョ」の連呼になる。エサが十分に行きわたり声にもハリがありVolumeも大きくなっていく。
特に4月下旬から5月に入ると「ウグイスの谷渡り」と呼ばれるホーホケキョの多重奏が聞こえるようになる。
私が初めて「ウグイスの谷渡り」を聞いたのは小1の時に父に連れられて埼玉県の「秩父山脈」へ行った折だった。
雲取山だったのか..武甲山なのか..半世紀以上も前でよく覚えていない。でも見渡す限りの緑の山が眼前に広がりを見せ、見る者を恍惚とさせる春の大自然だったことを覚えている。
「ホーホケキョ...ケキョケキョケキョ!」
気温があがり、エサも十分にとれるようになるとウグイスの鳴き声・鳴き方さえも変わってくる。一説によると、エサの昆虫が増えて来てタンパク質と脂肪分が十分取れるようになるから急に「声」が良くなるのだという。
10年前に不眠症の私を夜明けに起こして更に不眠症を加速させたのは「ウグイスの谷渡り」だったことは事実だ。
今は...どうか?
安定剤のデパスも睡眠導入剤も飲んでいない。
何が起きたか。
それは歳を取って「どうでも」よくなった。
PS: ウグイスは英語名が' nightine gale'(ナイチンゲール)と言う。