進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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落ちるか 受かるか....
2019.04.15
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1点の差で合否が決まる...
これが受験の非情な現実であることは今も昔も変わらない。
ただ、少子化の影響は多分にあるから一部の進学校でないかぎりまず中学校の進路指導のまま受験すればまず合格になるだろう。
それでも最終的には各高校の「合格判定会議」によるし、最終的には校長の判断による。
....それなら、そんなに努力しなくても大丈夫ではないか?と考えるのは当然のことだろうと思う。
それでも受験である以上は「落ちる」生徒は落ちる。
入試の結果発表でよく世情では「合格発表」といかにも全員受かるようなluckyな表現をするがアレはウソである。
正確には「合否発表」であり、入試は「入学者選抜試験」なのである。
なにか自分にはもうこの段階で「言葉のマジック」が巧みに使われていて生徒・父兄がことさらに不安になり騒がぬ様に実態を薄める操作がされているように思えてならない。
伊東を中心とした高校への進学状況は、地元には一応昔からの進学校として伊東高校の普通科がある。さらには卒業後の即戦力として伊東商業高校。また観光地で有名な城ケ崎近くには伊東高校(城ケ崎分校)がある。よく短縮してロコの間では城高というのだが、各学年1クラスの美術・芸術に興味がある生徒が多い。これらの3校ともに静岡県立。国立・市立・私立高校は伊東市内にはない。
県立校といえども少子化にともない全校の生徒数は減少している。だから全入か?というとそうでもない。無理して合格にしても高校は単位を積み重ねて卒業するところだから、入学後の授業について行けず定期試験やリポートをこなせないと判断される学力の低い生徒はやはり落とされる。
塾の拡大戦略を左右する「心理」効果を考えれば...成功とか合格とか..の言葉しか発してはならないのだが、敢えて私が知る実際の失敗例・不合格の例を挙げる。
運動部の部活ではレギュラーで大活躍。性格も明るい。しかし早ければ中1の後半から成績は伸び悩み中2ではさらに深刻化して塾や家庭教師を探し出す。
中3になると不安を忘れるためだろう....土日の1日練習や週日の早朝練習など人間ワザとは思えないくらい部活にのめりこむ。
親も「部活で疲れているんだから...」と考えてしいて勉強せよとは言えない実態がある。
ゲームやスマホをやっていて寝てしまっても、部活で疲れて毎日グッスリ寝ていても理由が違うだけで結果は同じだ。
まったく勉強していない。
この文章を激しく反発されるご父兄もいることと思う。それを承知で敢えて言おう。
高尚な「部活」も....「ゲームやスマホ」も勉強しないことの原因となれば同じである。
多くの場合「理由のない明るさ」がある...とか、勉強が大事だと日常的に言うのに「勉強を最優先とした生活ができない」家庭に悲劇が訪れる。
人間、全力で一つの目標を追う時に初めて成功するか..しないか?のギリギリの線に、ようやくたどり着く。それくらい人間は弱いと心得た方が良い。
思いきり自分のやりたいことをやった後の「燃えカス」のような状態で勉強して受験するのか....バカにするな!
こういう家庭では子供の能力をover estimated(過大評価)している場合がほとんどだ。それに気がつかないことがやがて悲劇と人生そのものを変えてしまうような事件を招く...と言ってもよいだろう。
これこそ勉強を学問の他にかけがえのないsupremacy(至高性)を土足で踏みにじる精神構造ではあるまいか。ご父兄は自分の高校・大学の受験の前にどんな状態だったか?
本当に命懸けで苦しんだ受験を体験した人間にはわかる...そこまでする学問の意味を。
めでたく大学に入学しても同じだ。一般教養科目は専攻に関係ない科目までタップリ勉強させられる。1科目なのに4単位なんて言う「重い」科目が多い。教員も「将来のキミたちが専門科目で活躍できるように...」なんて言って、例えば英文科の学生を経済学や政治学で絞る.....。
そこでもやはり「自分の目指したもの」が将来に実るか?を考えられる学生だけが試練に耐えうる。生き残り組は立派な成果を残した。誰も他に責任転嫁などしない。
逆に、高校受験の3か月前から....親子で毎朝4kmマラソンするようになったら、うちの子は夜グッスリ眠れるようになりました。父子で走る姿をみて涙が出ました..なんてどうして言えるのだろう。
朝方の勉強にかえて父親も毎朝4時に起き同じ部屋で仕事の下調べ。電車の中のkindleを読んでは子供が勉強する傍らにいるように自分の生活そのものを変えました...
というのが本当のところだろう。そうであって欲しい。本当の愛情は形で示すものではないか...何が大切かを身をもって教えることは親の、いや家庭の本当の教育力のはず。
何かがズレていた....
勉強を第一に、と口で言いながら実際第一に、最優先にしているようには見えなかった。
部活は思いきり全力で....勉強の結果責任は学校と塾に負わせて批判する。
そういう家庭だった。
結果は第一志望の県立高校....不合格。
自分とわが子の能力を過大評価しないことだろう。
身の丈にあった受験をすることしかない。
他を嫉妬せず...恨まず...ひたすら自分を磨くしかない。
その精神をわが子に伝えて頂きたい。