進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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江戸から生きる..サメ
2019.02.11
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いつも釣りをする「駿河湾」は冬の晴れた日が最高に綺麗だ。純白の富士山を背景に紺碧という言葉にふさわしい人智を超えた美しさといつも思う。
これは大瀬崎。ここを超えると最早外洋の海。海図で見るとこの大瀬崎灯台より西側に駿河湾が急に崖のように深くなる。最新部が海溝の谷底になっていて何と2500mもある。
われわれが活動できるフネのboundary(バンダリー)はこの大瀬崎が限界線である。
もっともマリーナの仲間で深場のムツやヤリイカを狙っている場合でも200mが限界のようだ。150号なんてもの凄い重さのオモリ(アジだと30号が標準)をつけて頑丈な深場専用のロッドに深場用の巻き糸のcapacityがグンと多い大型電動リールで釣るわけだ。
深場にも海図の等深線が入りくんだ海底地形がかわるところ、またマリーナの仲間が過去にムツを釣ってGPSに入力してある場合があるから、親しくなれば(?)教えてくれるかもしれない。でもこれは、人徳のある人に教えをこいたい。
だから....「アマダイのポイント...教えようか!?」なんて言う人が近づいて来たらご用心!目ぼしい大きなアマダイはそこにはもういないと考えてイイ。
近海の「カサゴ」も同じだ。乱獲がたたって「小型化」の一途をたどるのみではないか.....これだって回遊魚ではない成長に時間がかかる。
人がマダイあたりに夢中になっている間にカサゴの大物が釣られてしまった結果が今だ。
東京湾なんてその好例である。もう50年(半世紀)も岸から港から...さらには磯からの投げ釣り、そして横須賀や走水のような手漕ぎボートで水深50mくらいまでの「浅海カサゴ」はほぼ釣られてしまった。残ったカサゴの大きいのも育つ間もなく釣られてしまった。小型化と資源の枯渇は漁業者だけでなくこうした心無い「釣り人」による結果だ。
水質浄化の半世紀にわたる規制と企業努力で東京湾はよみがえった。羽田空港や湾奥のお台場でアジやサバまで釣れるようになった。
でも底生魚で成長の遅い「カサゴ」の大物はもういない。せいぜい25㎝が限界Maxだろう。
苦しくても「ポイント」は自分のフネと燃料をそして何より自分の時間を使って探そう。
私は「恩にきた釣り」なんてしたくないな.....。
ハッキリ言って自分は深場は苦手だ....外洋性の「ウネリ」が大きくサカナやイカのアタリが分かりにくいことこの上ない。
まあ、昔とは違って釣り糸が進化してPEになったから、100m先の仕掛けをサカナがつついても明瞭にアタリはわかるからtechnologyに感謝である。200mとなると海底までに何層にもわかれて海流が流れていることも多いから、それでも難しいが....
さてこの200mよりさらに深い深海には「駿河湾に固有の深海サメ」が何種類か生息しているそうだ。東海大や東大がかなり前から研究しているから時折そのニュースが公開されることがある。
駿河湾は単に深いとか急深な海底地形と言うだけではないことが他の深海とは異なっている。北側から...いや取り巻く湾岸全体から大小の水量が豊富な川が流れ込んでいることがまず挙げられる。川は普通考えるように単に真水を海に注いでいるだけではない。
上流からの「落ち葉・幾重もの地層から染み出た雨水」を集めてくる。いわばミネラルの豊富な淡水をしかも多量に駿河湾に供給している。狩野川と安倍川が代表例か...
もう一つは湾口の御前崎~伊豆半島の石廊崎沖には黒潮が流れていて、駿河湾にはその支流が流れ込み水温の維持に役立っている。
そのゆえに駿河湾のサカナは魚体が大きいだけでなく、特にアジなど真夏でさえ脂がのっていて旨い。これはベイト(エサ)になるプランクトンがおおく、それをエサにシラス(イワシの稚魚・幼魚)が大量に育つからだ。さらにアジ・サバ・イワシをベイトにする
ブリやカンパチなどの大型魚もまた豊富である。
そして300mより深い深海にはいろいろな種と独特な形に進化したサカナがいる。
有名なところとしては西伊豆の戸田(へだ)の郷土料理で古くから旅人を喜ばせるタカアシガニ。とにかく大きくて立派だ。脚を開いたストレッチの最大が4mなんて言うのもたまに捕獲される。
大きいと言えば深海サメだ....本当はこれだけに絞って書こうと思っていたのになぁ。
ユメザメと言うのは3mくらいかな。このサメは「目」が異様だ。薄いグリーンの宝石のような目をしている。瞼がない。
オンデンザメが頭にあった今日のトピックスだった。It has strange eyes.目がヘン。
駿河湾の300~2000mまでの深海にいるサメで、体長が5~7mもある大型の深海性のサメ。驚くのはその寿命だ。
成熟するまでに平均150年を要する。
だから5m以上のオンデンザメは300年以上を生きて来たことになる。
計算式 2019-300=1719年
これは明治時代にはまだまだほど遠い...江戸時代の中期だ!
深海は「高水圧・安定した低海水温・天敵がいない」という条件がある。
あえてこの厳しい環境を選び取った「種」が今も生息しているのである。
自然界は本当に神秘に満ちている。
ただ...釣りの釣果を気にするなんて愚かに思えてくる。
あえて言おう。
メメントモリ....