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誤訳か...「感謝されるべき?」

2019.09.22

3年ほど前だった。沖縄でMarine海兵隊のオスプレイがエンジン不調で不時着する事件(事故)があった時の話だ。

海兵隊のトップが語った以下の言葉を取り上げたmedia(新聞だった)があり時の話題となった。その言葉は次のようなもの....

"Should be thankful for that there was no damage." 

これを日本のメディアたる朝日新聞は「(私たち米軍は)感謝されるべきだ」と訳したが、完全な悪意ある誤訳である...としてネットは炎上した。

いまはどうなのかな?

そもそもの事件の発端は沖縄の海兵隊が運用するオスプレイが珊瑚礁の浅瀬に落ちた事実を「墜落」なのか「不時着」なのかの認定をめぐって各方面で解釈が違った。

しかし、一番の問題は墜落か不時着か?という事実認定にあるのではない。

ここで蛮勇を奮って申し上げるが....

これは「誤訳」が原因で問題化したのではなく、敢えて「一定方向の価値観による意識的な翻訳」をしたことが原因である。

海兵隊のpressへの発表の際はもちろん英語だった。どう翻訳するかは日本側のmediaの裁量範囲である。

皆さんのなかで英語の堪能な方は既に気が付かれたか.....と思うが。

実は最大の焦点となっているのは英語や他のゲルマン語にある「主語の省略」である。

Marine発表の'(........)should be thankful...'の英文には「主語」が欠落している。これは英語・米語では極めて頻繁にあることで、敢えてMarine側が主語をボカした発表をしたとは思えない。

その主語を' Japan (日本)' 或いは' Japanese(日本人)'として英文解釈したのは...言いたくはないが「米軍の存在自体を悪」と考えるmediaだった。

この流れでは「沖縄の米海兵隊のオスプレイは不時着したが、大きな事故とならなかったことを、日本・沖縄は感謝すべきだ...」となる。

一般的に考え、英文の主語を' We American Forces' and/or ' Marine'とするなら全く話は変わる。

「在沖米軍・海兵隊は残念ながら今回のオスプレイ不時着事故となったが、大きなdamage(損害・被害)とならなかったことを(神に)感謝しよう」
....となる。

翻訳とは恐ろしい。和訳する人間の価値感や先入観、さらには学識の深さや歴史観によってカメレオンのように変わるのだから。

いま、こんなことを話題にする人はまずいないだろう。
それは一円の利益を生まないし損もしないから.....だ。

この世の事象・事件・情報をすべて「自分の損得」で本能的にふるいにかけて瞬時に取捨選択する。

それは英語で言う....Cool !なのかもしれない。

一方で、そのなにもかもが「損得づくめ」の姿勢こそが国の未来を危うくする....とは思えないだろうか。

私たちは「国が...日本が...」と頻繁に言うけれど、自分たち一人一人が国であり日本そのものであるとはほとんどの人が気づいていない。





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