進学セミナー西川塾　城星教室 / 十足教室　　　　 | 日記 | Marine Corps

Marine Corpsは「メリン・コ」と聞こえる。

メリン・コは日本語で「海兵隊」と訳されるが、よほどの軍事オタク...か米軍に友人でもいない限り理解は難しい。

理解できないのには理由がある。

日本には海兵隊は明治この方....どんなに探してみても軍制上に存在しないからだ。人間は見たこともなく学校で習いもしなければ想像するしかない。

似た名称でかつて存在したものに旧軍の「海軍陸戦隊」があった。だが、これは海軍の作戦で特に陸上での戦闘が必要だった場合の特殊な部隊だった。上海事変の時に海軍陸戦隊が上陸して活躍したことがあったが、自分の記憶の中ではこの時だけである。

アメリカの海兵隊はよくある誤解のようにアメリカ海軍の中の組織ではない。完全に独立した軍の組織である。

アメリカの軍制は..英語表記を先にすれば...Navy（海軍）・Army（陸軍）・Air Force（空軍）・Marine Corps（海兵隊）・Coast Guard（沿岸警備隊）となっている。

日本も憲法上は軍隊ではないが自衛隊その他として...海上自衛隊・陸上自衛隊・航空自衛隊の３つだった。...いや.....だった..と言うには訳がある。

日本人なら当然知っている「海上保安庁」だが、実に微妙な扱いに驚く。それは外部への説明にあたる表記の変遷に見てとれる。活動内容は領海内の治安維持であり警察活動だ。

ゆえに英語で分かりやすく言えば...Sea policeなのだろう。

それがついこの間まで...Maritime Safety Board とかMaritime Safety Agencyと言っていたのに2000年から何故か突然に....Japan Coast Guardになった。言うなれば「日本国沿岸警備隊」になったわけである。これで我が国もアメリカとほぼ同じ軍制になったと言えるだろう....誰も言わないけれど。

唯一ここでも収容しきれなかった理解の難しい「軍組織」が海兵隊である。

米海兵隊は.....歴史上の日本との接点を捜せば江戸時代末期の日米和親条約締結時の神奈川久里浜でペリーを護衛して整列しているのがMarine Corpsだ。

今でもアメリカの世界各国にある大使館・公使館の警備護衛は海兵隊の役割である。さらに大統領の直接護衛と移動の際のヘリは海兵隊の管轄だ。

海兵隊はよく「殴り込み部隊」と蔑まれて言われるが、全世界に軍事的な大事件があった時にアメリカ軍の陸海空の3軍を動かすには米議会の承認が必要だが、即時に限定的にではあるが「動かせる」のはMarine Corpsなのだ。ここに海兵隊の存在する大きなそして強力な意味が有ると思う。

ある場所...ある時に軍事侵攻が勃発した時に「出兵の是非」を議会議論していたのでは間に合わない。

その時に限定的にではあっても米軍が介入することを許す....その具体的なカタチがMarine Corps（米海兵隊）なのだ。

その故に米海兵隊は作戦に必要な「艦船・航空機・陸上部隊」を持つ。そして米陸海空軍の指揮とは別に独自の.....或いは共同の作戦のもとに闘う。

彼らは...Crazy Marineと米軍のなかで言われる。19~25歳の最も身体能力が高い兵で構成されていることも特徴である。

私にはメリンコの友人、父親がメリンコ、夫がメリンコだった.....友人が多くいる。

全ては複雑だけれど誰の責任でもないし、誰が悪いのでもない。

彼らと親しく付き合う私を....ヘンな目で見る人間もいる。

でもイイじゃないか。仕方ないじゃないか。

全ては歴史だ。

Marine Corps....も。



海軍でも陸軍でも空軍でもない。