進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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勉強したくなるには
2023.08.25
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覚えないんだからできるようになるわけがない。ああ...それなのに である。
多くの人は「勉強とは...わかるようになること」と考えてはいないだろうか?
そこには非常に危険な思考の「ワナ」が隠されている。
わかるようになるため....にはその前段階としての「覚えなくてはならない」ことがある。それはすべての教科の基礎。事実や法則そして公式がまず存在する。
数学の図形証明の話ではないが....仮定(すでにそこまでは正しいとすること)に至るまでの暗記が前提。
分かるようになるには、そしてできるようになるには避けて通れない....誰もが本当にイヤがる「基礎知識の暗記」。
実のところご父兄の中にも、昔自分がどうしても暗記しなければならない勉強が本当に苦痛だった...記憶が鮮明で「暗記は良くない」何かもっと良い方法があるのでは....と考える方もいるだろうと思う。そしてそれは致し方ないとも思う。
でも....である。
苦労して現世を生きておられる皆さんに...私は問いたい。
掛け算の九九...1mは100㎝という今の日本において覚えていなければ本当に困る...基礎知識の集合が中3までの義務教育のなかにある。
それを覚えない・覚えたくない...という個人の選択に任せたらどうなるだろうか。
これを「任せてよい」とするのが実のところ今の義務教育である。本人と保護者がそれを「よし」とするのだから学校(...教育制度...つまり国)はそれ以上立ち入るな..ということになる。自己責任の法理をここでも実現するのか....結局 親子でその結果を受け取れ!と言うことになる。
私はもう40年も地域で塾をやって来て思うのだが...小学校6年間+中学校3年間の義務教育をしっかり授けてもらえなかった子供たちは本当に可哀そうだ。
私が小中学生だったころは.....もう半世紀以上も前の話だが、先生方は自分を大いに犠牲にしてでも生徒を教えていたと私は確信する。私は小3の時に給食に出た「ピーマンのひき肉づめ」を食べなかったので...夕方に綺麗な月が出るまで学校に残されたことがあった。「大事な食べ物」を粗末にしてはならない...ということだったのだろうが。最終的には....それでも私はピーマンを食べず、学校から連絡したが母は外出していた。祖父が電車に乗って迎えに来てくれたっけ....オジイチャンありがとう。
いま、こんなことがあるだろうか。絶対にない。
こんなにも大事件?になってしまったけれど、私は幼心に学んだ。
「食べ物は大切だ。それは、自分が好き嫌いに関係ない」...母とその後友人となった担任の先生のご主人は先の大戦で南太平洋の島の守備隊で米軍に包囲され食糧にこと欠いて餓死したそうである。
ああ...そうだったのか。だからあんなにも食べ物を粗末にしてはなりません...と言ったのか....。
それを知ったあと.....私は勉強した。
もう数十年前に鬼籍に入られたOG先生。理屈ばかりこねてすみませんでした。
先生のあの時のお気持ちを思うと自然に大学で教職課程を選択して勉強しました。
先生から受けた御恩の万分の一でも生徒に返せたら....と考えて教えています。
埼玉県川越市立高階小学校だった。