進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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ヘンな英語...
2023.03.26
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いまの日本にヘンな英語は2つある。いや...3つ以上かも。以下は思いつくままに。
1.日本人が作ってしまったもの
これはいかにも英語のように聞こえるが英語圏の人間(nativeと言う)が首をかしげる言葉。大多数の日本人は英語と思っているから困る。
例 フライドポテト プラスアルファ モーニングコール エンジンブレーキなど
カタカナで書けるのだから英語と思い込んでいる人も多い。困ったことにTV・新聞などのメディアでも盛んに使われる。学校教員もためらいなく使うから世に与える影響は強い。英語が母国語の外国人と話していて初めて通じない日本製英語だと気が付く。
2.英語ではあるが違う意味で使っている場合
しっかりしたスペリングで書けるし辞書にも載っているのだが、使う日本人が本来的な正しい意味で使っていないもの。
例 ムーディ マンション ガール・ボーイフレンドなど枚挙にいとまなし。
ムーディなどは確かにmoodyと書ける。使う人は「ムードがある」と言うつもりの場合がそのほとんどだろう。でも英語のmoodyは「憂うつ」とか「気分がかわりやすい」と言う意味の形容詞。
マンションについては最近では勉強が進んで来たらしいから誤解を脱出しつつある。意味は「イギリスの貴族・王族が住むような広大な敷地に立つ豪華な屋敷とか邸宅」。使い始めたのは多分日本の不動産業者だろう。外国人の友人に「いやぁ、都会のマンションに住んでいるので庭もないんですよ」なんて言おうものなら大変だ。気まずい沈黙のあと誤解を解くために英会話の練習になってしまう。
日本語のガール(ボーイ)フレンドくらい誤解を招く言葉はないだろう。
...Well She's my girl friend.なんて言ったら大変なことになる。これは「結婚を前提にもう同棲しているくらいの関係の女性」という意味である。では日本語の意味に近く言うならどうするのか。それは' She is my friend. 'とか職場の同僚なら’co-worker'。同じ学校に通う仲良しの友人なら' We go to the same school 'くらいでいいのだろう。
3.発音が違うので通じない
ポテト→ potato(ポティトゥ・ポレイロゥ 米)
トマト→ tomato(トメイトウ・テメィラ 米)
ベジタリアン→ vegetarian(ヴェジティリアン)
ツナ→ tuna(テューナ)など
4.英語だと個人的に思い込んでいる
これは大昔の安土桃山時代のころに日本語に入って来たポルトガル語・イスパニア語・ラテン語の場合と主に明治期に流入した医学・登山用語のドイツ語だ。
コップ・・・中学生が英語のcupだと勘違いするから困る。英語ならglassだ。
シャボン・・ラテン系のフランス語では今でも「ハボン」という。
アルミニューム・・典型的なドイツ語。英語はaluminum(アルミナム)だ。
5.とうとう作ってしまった
「いやぁ なかなかボリューミーなディナーで満腹しましたよ」など。
もうかなり日本語に浸透しているようだ。芸能人や有名人が使い+さらに文化人までが使いだすともう止まらない。
例 volume(ボリューム)からの連想であろう。
これは前述のmoodyに似ているが、元来volummyという言葉は存在しない。volumeをつかって「量が多い」という意味には形容詞型のvoluminous(ヴォリューミナス)しか存在しないではないか....どうしてこんな国内でしか通じないヘンな言葉を作りたいのかわからない。
総括すると
今の日本では英語学習が盛んになり、外国人とストレスなく話したいという日本人がグッと増えた。それはそれでよいことだと思う。
並行して「聞き流すだけで英語ペラペラ」とか「中2の英語で十分!」なんていう勉強法が世の中にあふれている。これは事実であり事実ではない。効果のある人とまったくない人が混在しているのが教育法であり勉強の方法論である。
みなさんが英語を勉強していくにつれてわかることは「いかに日本語の中にまちがった英語があるか+どれだけ自分が英語を誤解していたか」だろうと思う。
そして人は間違いを指摘されると不愉快になるか、短気な人なら怒り出す。それが日本人の心の中にある最大の「精神的な壁」ではないだろうか。
さしあたり...ムーディとボリューミーはやめよう。
misunderstanding+misinterpritation