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進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室     の日記

月の道

2023.01.16


イシモチとはどんな魚なのか?特徴や旬の時期、美味しい食べ方を紹介
正式にはシログチと言うらしいが、東京に育った私はずっとイシモチと呼んでいる。以前から書いているように父は釣りと野球が大好きだったから、土曜日の午後(当時は午前中学校)から日曜祭日は全部釣りに行った。強風や大雨の時は埼玉県の「釣り掘り」に。

この写真がイシモチだけれどかなり個体差があるようだ。抱卵した雌だろうか。東京湾のような内湾と九十九里のような外洋では顔つきが違うように思う。共通しているのは「砂泥の海底で潮通しが良い海域」釣れる水深は10~30mくらい。あまり深い海にはいない。

食性は雑食だが「ゴカイ・イソメ・ジャリメ」のような砂泥に棲む環虫類を好むようだ。

あと面白いことがある。

親父が「オイ、一喜。イソメはケチケチせずにデカくつけろよ!」と言ったものだ。これはあとでわかったが、イシモチは大きなエサほど飛びつく習性があるからだ。それもイキのいいエサほど....オモリが海底に着くや否や「ガッーン!!」とHitするから面白い。それは野性的にして重量感のあるアタリだからイシモチだとすぐわかる。

親父が好んだのは投げ釣りだったから関東~東海地方の海岸という海岸を釣り歩いた。半世紀以上も前の沿岸はいかにもサカナが豊富にいた。

どのサカナにも父親との想い出が深くつながっている。わけてもこのイシモチはさらに房総半島にかかわってくる。祖父が外房に生まれたからかもしれないが、勝浦から九十九里浜には当時の道路事情でよく通ったものと感心する。

祖父の生家がある御宿(おんじゅく)を過ぎて九十九里浜沿いにドンドン北上していくと...遂に気の遠くなるような長い長い砂浜が終る。そこが「飯岡港」だ。飯岡沖から銚子までの沿岸はハナダイの船釣りで有名だが、ウチは親子で防波堤から水平線に向かって思いきりキャストする投げ釣りだ。

全力で竿(当時はまだロッドとは言わなかった)を振って仕掛けを沖に投げると数十秒間25号の重りをつけた仕掛けが海上を飛んでいく。リールから道糸(まだラインとは呼ばなかった)が「シュー!」と快音を響かせながらドンドン出ていく....目は水平線を見ているのだが、その手前で「シュッパ!」と海面に着水するのを見るのがたまらなかった。飛距離は100m前後くらいか。

その日は秋の終わりだった...午後遅くから満潮になり潮が動き出したな..と思ったその瞬間に「グッ..グッ..ガツーン!」と来た。

親父のおさがりの投げ竿は手元から曲がりリールも巻けないほどの強い引き込みだ!
太いラインとセイゴ用の大きな鈎のおかげで時間をかけて何とかあげられた。

重いはずだ....40㎝を超える大型のイシモチがdouble(2匹)でかかっていたんだから。

あとは親子で入れ食い!

初めのうちは「ウワー!」とか嬉しい悲鳴をあげていたが、喜びと興奮がMaxになると人は口もきかなくなるものらしい。父のこういう時の目は鋭く細くなるからコワい。あれが海軍の目なんだろうか....

もう手がしびれてリールのハンドルも巻けなくなるころ巨イシモチの入れ食いはやんだ。
潮が変わったんだろう。

ふと顔をあげると外房の夕方の水平線には満月がぽっかりと浮かんでいた。あまりに集中して釣っていたから綺麗に輝きを増した月にも気が付かなかった。

その時生まれてはじめて海に月の光が映り満月から自分の足元にまで「月の道」が美しく見えたことを思い出す。

高校生の頃だったかAndy Williamsの' Moon River'という歌を聞いた時にこの時の満月の作った道が記憶の彼方に浮かんだ....

Moon river...wider than a mile  I'm crossing you in style someday

想い出とは かくも美しいものだ


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