進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室     | 日記 | ザリガニの話

わかるまで教える。生徒の能力を引き出す...この2つを可能にするのが塾です。

Top >  日記 > ザリガニの話

進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室     の日記

ザリガニの話

2023.01.04

ネットnewsを見ていたら「赤い炊き込みご飯」と言うのがあった。何でも西日本のどこかで絶滅危惧種の淡水魚を食べてしまうアメリカザリガニを駆除しているうちに浮かんだアイデアなのだそうだ。

今の子供たちはザリガニに「二ホンザリガニ」と「アメリカザリガニ」の2種がいることを知らない。というよりも大人のわれわれだって子供時代にザリガニ釣りで遊んだ記憶がない人は実感がわかないだろうと思う。半世紀以上も前のあの頃は本当に遊びが限定されていて必然的にアウトドア系のものばかりだったことを思い出す....野球・古い屋敷の探検(いまなら不法侵入になるだろうけど)・海や川の釣り・まだサッカーは流行っていなかった。女の子たちが何をして遊んでいたかはわからない。

土曜日の午後(当時は3時間授業があった)友達とザリガニ釣りの約束をする。男同士の約束はたとえ子供でも絶対に守る。エサはオジイチャンの残した酒のつまみのサキイカ。
イカゲソなど動物質でニオイの強烈なものが良い。私はハゼ釣りの短いスピニングリールに海釣り用の短いロッドを持って行ったが、その辺の竹の棒でも構わない。釣り糸だってタコ糸でよい。サカナと違ってザリガニはハリスなんて見ていない。濁り水のなかでも釣れるから視力よりも嗅覚が優れていて、あとは水中に伝わる振動に反応するようだった。

当時のザリガニは川や池・沼にエサが豊富だったのかイセエビを小型化したような立派なのが多く、5匹ほど釣れたら早上がり。そのうち2、3匹を選んで持ち帰りあとは池沼にreleaseした。子供心に「このまま釣ったらアメザリがいなくなるゾ!」とザリガニ資源枯渇を心配していたことを思い出す。この遊びがなくなることこそが恐怖だったからね。

家に帰って水槽に入れる瞬間がまたタマラナイ興奮だ。先住のザリガニと鉢合わせする...うまくいけば「共存共栄」となるが、狭い水槽の中ではエサの取り合いと使用面積の争いで戦いが始まる。結果は「共食い」に終わるから悲惨だ。死んだ後のニオイがまた強烈ですぐに水槽を洗い水を替える。減った分のアメザリを釣りにまた翌週の土曜日に補充のザリガニ釣りに出かけたものだ。以上が小学校3年生までのザリガニ釣りの想いでになる。

Crawfish 01.jpg

アメリカ..が付くだけあって元来の日本原生種ではない。確か昭和の初めごろ太平洋戦争が始まる前に「アメリカ産ウシガエル」のエサとして輸入された。ウシガエルは広く食用とされていて鳥のササミのような食感だったそうだ。神奈川県のどこか?だったか...失念したが、このウシガエル養殖場から大水や台風の増水時に逃げ出したアメリカザリガニが水路を伝わり逃亡。あっと言う間に日本全国に広がった。そのくらい繁殖力が強い。

日本の固有種である二ホンザリガニは対照的に地味だった。ずっと小柄で灰色...と言うか淡い水色のようだったように思う。控えめな外観の二ホンザリガニはアッというまにアメリカザリガニとの競争に敗れ....食べられてしまった。小学生の頃に近所の沼の中で複数の大型アメリカザリガニに囲まれた1匹のオスの二ホンザリガニを見つけた。「それ」は小さなハサミで必死の防戦を試みるも敗退。頭胸部を切断され食べられてしまう壮絶な現場を見た記憶がある。二ホンザリガニを見たのはこれが初めで最後になった。

その時に何故か伯父に聞いた大戦末期のゼロ戦とグラマンの空中戦を思いだしたっけ...

やがて長じてアメリカ人の友人ができると、驚くような彼の地の食文化の話を聞くようになる。いや本当の話...驚いた。

' We Americans ,especially the southern area like Mississippi or Frolida, eat the crow-fish(ザリガニのこと)very often. 'と言う。

本当か...と念をおした。

味はコリコリして美味しいのだそうで、南部の湿地帯では 'the crow-fish fisherman(ザリガニ漁師)'がいて立派に生計を立てているのだそうだ。漁も豊かで収入も多い。

「夕方、ボートでポイントにザリガニ網を数か所仕掛けて翌朝を待って網をあげる」というから淡水の定置網漁法なのだろう。

これがまた大量に獲れる。それこそ文字通りの大漁でフネが傾くくらいだ。ボートに積んだまま市場や岸にあるthe floating style restaurant(水面に客席がせりでている)に売りに行く。単純に大きな専用の釜で真っ赤になるまでゆでる。

食べ方をきくと、そのまま大皿に盛って出すのが一番popularで注文が多く素手でバキバキと皮をむきながら食べるとか。好みでタバスコやケチャップ、塩コショウをかけて頬張ると冷たく冷やしたビールによく合うのだそうだ。

あと私も体験した料理にJambalaya(ジャンバライヤ)がある。確か昔のカーペンターズの歌にもあったなぁ..。アメリカ南部のクレオールに伝わる料理と言うけれどフランス系やスペイン系の移民が持ちこんだらしいよ...と言っていた。

recipeは簡単で素朴だが新鮮な獲れたてのcrow-fishが必要。わかりやすく言えば「アメリカ南部風ザリガニチャーハン」。

チキンや野菜をご飯と炒めザリガニのダシ(taste and flavor)が効いてこんに美味しいものがあるのか...と思う。

日本のザリガニは1960年代まで対米輸出されていたと言う記録を読んだが、その当時に水田で使われていた農薬がアメリカ側の検疫で見つかり輸入停止となったままだ。

日本では水草や希少な淡水魚を食べてしまうので「外来種の害魚」に分類されているし、かなりの下水の中でも平気で順応して増えるから「キタナイ」イメージが先行する。

でも一方で「環境に留意した湖沼で農薬の心配のない」駆除されたザリガニは実に美味だ。ジャンバライヤもいいし、日本式の炊き込みご飯もいける。

もう70年近くたっているのだから食料資源の有効利用を考えてみてはどうだろう。

PS:ちなみに大陸の中国ではザリガニは高級中華料理に属し、湖北省では盛んに養殖され  
   ている。





Cajun and/or Creole dish ’jambalaya '   is among my favorites. 

いかにも美味しそうなジャンバライヤ。彼の地では安くて美味しい。栄養のbalanceも良い。さすがは deep southだけある。

日記一覧へ戻る

【PR】  (株) 西岡綜合建設  美肌計画  西京極 美容室 smail  陽だまりCAFE  Symphonix rov.ダンススクールスタジオ