進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
-
おそるべし...受験生
2022.08.21
-
最近は大小を問わずどこの塾でも夏と冬の講習会には模擬試験を取り入れている。これは各教科のどこに自分の弱点や不理解の点があるのかを探すので、病院の検査のような機能を持つ。他には高校・大学の志望校の志望科を入力すると「ABCDEの5段階評価」+「グラフによる視覚表示」で合格可能性がわかるから本当に実用的で..反面コワイ。
模試というのは実は本番の入試より難しく作ってある。だから各校の学年10番以内くらいのかなり優秀な生徒でも苦戦する。満点などまずありえない。みんな泣き出しそうな顔で自分と戦いながら時間ギリギリまで粘るのが今までの当たり前の姿だった。
ところがここ数年、驚くべき状況になって来た。
以下具体例を述べれば.....
*ただでさえ時間が足りないはずなのに、15分くらい前になるともう終了...「ポカー
ン」と放心したように口をあけている。
* 解答用紙を裏返して居眠りしだす。
* 声を出したらマズイと思うらしく、無言のまま大きく背伸びをしてあくびをしている。
* シャープの具合が悪いのか....凄い顔をして貴重な試験時間中に5分くらいシャープの芯
を入れ替えている...
どれもが現実からの逃避だとしか私には思えない。確かにカンニングはしていない。大きな音を立てているのではない。無言の無音のうちに個人的イライラを周囲に与えている。
後で答案を回収してみると、数学は初めの計算問題を数題やりかけていてあとは白紙。英語はlisteningの記号問題だけで長文問題や文法問題は放棄している。
大体各教科の試験が始まってものの5分としないうちに終わるってなんだろう。
「できないことは初めからやらない...」と言う彼らなりの信念か。最近はやりのコスパに合わないんだろうか?この目に見えないまるでコロナウイルスのような青少年の精神状況はもはや一種のphenomenon(社会現象)になりつつある。
自分の好きなことしかしない。
楽なこと利益になることを動物的感覚で嗅ぎ取る能力は素晴らしく発達している。
食べること・部活・遊び・ゲーム・スマホで一日が終わる。
こんな生徒・若者に誰がしたんだろう。もはや、学力とか方法論の問題ではない。
今の日本の社会がそのまま中高生・大学生に投影されているように思うが、そのままにこれまた「自己責任ですから」と放置しておいてよいものか。
彼らがやがてどんな社会人になり、どんな家庭を作るのか。
もうあまり時間はない。それこそ近接未来に具体化するだろう。
私は最後の砦は「家庭」と思う。
人間としての生き方、価値観は家庭でしか醸成されない。
英国人が昔から言う Charity begins at home.はやはり本当だった。
実質的に今年の12月で受ける高校は決まる。
年が明けたら、本当にその高校に受かるのか..の段階に進む。