進学セミナー西川塾　城星教室 / 十足教室　　　　 | 日記 | 海のポイントをさがそう....It's fun to find the fishing point

   海の雑誌「舵」より Boat Fishing

   防波堤の釣り　空いているとよいが...


しばらく堅い分野の話ばかりだったから楽しい海の話を書こうと思う。

コロナの3密回避をできる趣味としてoutdoorのうち「釣り」が爆発的な人気である。

それは良いことだが、残念ながら堤防・桟橋などは釣り人が多すぎ。加えて初心者も多いとなるとトラブル続出となる。人の竿先に平気で仕掛けを入れる...お祭り（他との仕掛けからみ）しても謝らない...漁港にごみを放置して漁業者と口論に...立ち入り禁止の県や漁協の看板を無視して危険な防波堤の先端に行こうとするなど。

まあ書き出したらキリがないけれど一番困るのは「ポイント場荒れ」だ。

海は広いが、サカナが豊富にいる＋寄る場所は驚くくらい限定的である。まして沿岸の釣りポイントとなると古くは明治・大正のころから地元ではわかっていたが、昭和の特に戦後に入ってから開発された「ナイロン糸」が普及するに伴って急速に釣り人口が増えた。

このナイロン糸はリールの道糸とその先端につなぐハリスに使われてきたが、海底の障害物や根（岩）に引っ掛かるとどうしようもない。これを「根がかり」というが、しばらく角度を変えて引っ張ってみてダメなら切るしかない。

このため、岸からリールで投げ釣りをして届く範囲（大体50ｍ..砂浜の遠投で100ｍ）までは人気のポイントほど海底には切られたナイロン糸が漂っている。

例えば水深のある岩場の有名な釣り場として地元の伊東では「富戸・川奈～城ケ崎・八幡野」がありイシダイ・イシガキダイ・ハタの大物が釣れるが、同時にdiving spotにもなっている。海底から漂う根がかりで切られたナイロンの太い糸がdiverの足に絡まる事故をたびたび聞く。

こんな海底ではどんなに潮通しがよくてエサになるbaitが豊富に泳いでいても釣り場としてはもうダメである。サカナはリールの届かない...ような安全な距離にいる。

なんでも初心者のうちは失敗や事故に遭う。反省しつつ進歩を目指そう。

初めに市販の釣り雑誌などに紹介されているポイントに釣り場が混むことを覚悟で行くのは仕方ない。雑誌に載っているのは大漁の写真や大物を釣り上げて嬉しそうな釣り人の写真だ。....出版業界だもの釣れない例など載せるはずはない。

釣れなかったと周囲に不満をぶちまけ、家族に八つ当たりするくらいならあなたに釣りは向いていない。釣れない自分を憐れんで自暴自棄に（実際にいる！）なってもダメ。

釣れなかった原因を冷静に考えてみること。

現場の込み具合でbest positionに入れなかった...のは仕方ないとして、その日の海水温・波の高さ。潮は大潮だったのか？潮の濁りは？エサや仕掛けは適切だったか。

カンタンな釣り日記を毎回密かにつけていると、一年前二年前の同じ時期に何が釣れていたか、その時に何が問題だったかを時系列的に知ることができて「その海域の釣り情報」として極めて実用的なLoco Guide Bookが出来上がる。

私の父は釣りキチだった。短気で何かと言うと頭をガツンと殴られていたが、釣りに関しては遺言のようにいろいろなことを教えてくれたものだ。

釣りに大事なことは3つだという。

「1　場所　2　エサ　3　仕掛け」

親父は釣るために3つの条件を頑張っていた。釣れないと条件のどれかを疑い、変更するというやり方で関東地方～東北の沿岸を釣り歩いた。

自分でもこれは子供のころから身にしみこんでいる。

有名なポイントで釣れなければ、その周囲の沿岸を丹念に探してみよう。必ず誰も見向きもしないようなワンド（小湾）やこじんまりした船着き場などが見つかるはずだ。

父は初めから釣りの本に載っている込み合う釣り場にはいかなかった。いつもその近辺のポイントを探していた。

仕掛けについてはあまり工夫がなかったように思うが、外房の誰もいない磯を一つ一つ確かめながら釣る根性には恐れ入った。

「釣りはな...足で釣るんだ」

今も親父の声が聞こえる。

PS:　次回は沖のボート釣りを書く予定。