進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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打ち砕かれること...
2022.08.11
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人間はいつも「頭(ず)が高い」....これは自尊心とも呼ばれるもので自己を磨く原動力にもなるが、一方で他を見下して自分だけが優れて正しいとしてしまうものだ。
二律背反でもあり「諸刃の剣」でもある。
私は幼いころから英語を学んで米軍基地の近くで育ったこともあったから「人より英語はできるゾ」という自尊心がいつもついてまわった。
今にして思えば「鼻持ちならないバカ野郎」だった。
中2で父の会社もすべてがなくなって東京から伊東へ来てからは思ってもみなかった試練の連続だったが、中3の受験期を通り過ぎ地元の県立伊東高校へ進学が決まって入った塾が私の人生を決めた。
英語塾だった.....純粋な英語を教える塾だった。
合格率とか有名大学への合格を目指すなんてことは全くない。自分の持てる力を振り絞って合格したところが早稲田ならそれでヨシ。他もよし。
どんなに英語ができても日本人として「消化吸収」されていなければそんな英語は何の役にも立たないこと。オマエは何人なのか?役に立つ英語屋で終わっていいのか?
授業のたびに先生は言葉にしないが、そう思うことを塾生に問いかけていた。
通じればよい。Americanの発音は有利だしカッコイイ。早口の英語で自分の主張を通せたら気持ち良い....
そんな自分の自尊心は見事に打ち砕かれた。
文法はパーフェクトであることは当然。訳語に至っては広辞苑・広辞林に載っている言葉で訳す。訳したらそれが「自分の言葉」か?日本語として不自然さはないか?
そのフィルターを通してようやく英文和訳ができる。
どの分野でも修行の身は自分が完全に打ち砕かれる瞬間がある。その「瞬間」がようやく出発点ではないだろうか。
私は大恩あるS先生に出会ってから、英語はもちろん日本語も、ゆっくり考えて話すようになった。生涯お許し下されるなら先生の門下生でありたいと思う。
キリスト教会では「砕かれし魂」のみが天国を許されるという。
これには個人的ガンバリのほか何かが必要らしい.....