進学セミナー西川塾 城星教室 / 十足教室 の日記
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心の痛み....
2022.06.06
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今の生徒は小学生から高校生まで皆とても明るい。その明るい面だけを見て安心していただきたくない。
その明るさの裏に何があるのか?
教員を養成するため各大学ではそれぞれの専攻別に教職課程があり、講義・リポート・小テスト・単位修得試験...気の遠くなるような25単位の教員教育のなかで、いかに人類がその子弟を教育するため試行錯誤して来たか?その歴史を教育学の各科目について学ぶ。
そんな必死の努力にもかかわらず、最新の学校現場で出くわす事態には対処しきれない。
それがこの異常な......「明るさ」なのだ。
人間10人10色...なのだから、どんな人間がいたってイイじゃないか。
私もそう考えるのだが、実際には違うらしい。
「自分も同じように笑うし怒るんだ..」という姿勢...と言うかappealができなければ集団のなかで不安になる...だけでなく変人扱いされ、友人さえも飛び火を恐れて去っていく。
私にはよくわからないが今の若者は「孤立」「周囲からの隔絶」を恐れる。
そうならないために、笑いたくないときにも「笑い」...怒りたくない場でも「怒る」。
悲しくはないのか? そこまで自分を売り渡してもいいのか?
もうすでにご存じと思う...私はキリスト教徒。
信じられないだろうが旧約聖書のモーセの十戒を考えてしまう.....
その一つ「偽りの証(あかし)をたつることなかれ」がある。
皆さんの前にカトリックの告解...のような気持ちで申し上げるが、このひとことくらい自分の運命を決めた言葉はない。
人間、自分の奥底にある心に背いて決めたことも実行した何かにも、必ず一生後悔しないまでも...引きずる何かが残るように思う。
その「何か」は人によりさまざまに異なるだろう。
私には確かにあった。
ここで話は戻るがいまの中高生は必死だ。
本人はまったく意識していないけれど。
学校と言う社会集団のなかでいかに自分が摩擦なく溶け込めるか....と言う一点において。
自分の本心、或いは「そうじゃない!」。
と言いたい気持ちを何とか抑えてギリギリで卒業を迎えるのである。
彼らは体験的に知っている。
偽りの証を立てなければ、この世を生きて行くことはできないことを。
若者の迷いと心の痛みを知りながら、大人は自分で精いっぱい...と何もしない。
心の痛みを知らなければ日本の未来はない。