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あの世から...小泉八雲

2022.08.13

8月13日~15日が伊東では「お盆」。

東京よりちょうど1か月遅れである。最近では東京からの移住者が多いためだろうか地元のホームセンターやスーパーでは7月と8月の2回「お盆セット」なるものを売っている。

以下内容

お線香・迎え火・送り火用の部材・仏の馬...時にはオプションで牡丹灯籠。

東京在住の人はお盆に帰省する。

これはもう条件反射のような行事となっているけれど、実は「実家に帰って父母や親戚と会う」だけでなく「お盆に帰ってくる亡くなった先祖の御霊」一緒に3日間を過ごすという...まさにこの世とあの世が出会う特殊な時間だ。

明治期に来日し日本文化のすばらしさに驚嘆し、多くのreportを英文で海外の英語圏に紹介したLafcadio Hearn(ラフカディオ・ハーン)は日本人の女性と結婚したほどだ。ついに彼は日本国籍になり妻の小泉姓に名を「八雲たつ..」から取って小泉八雲となった。

ハーンはアメリカの新聞記者、正確には日本派遣の旅行記を本社に送る作家だった。
多くの明治時代日本の江戸時代から残る風習に深く興味を持ったが「お盆」にはとりわけ愛着にも似た心をいだいた。

旧暦の7月15日ごろの記述には「盆の迎え火」「精霊馬」「盆灯籠」「精霊流し」...そして皆で踊る「盆踊り」には西洋人として生まれたハーンには心に染み入る太古の魂の躍動を感じたのだった。

ハーンもまた複雑な生い立ちのゆえに苦しんだ。ギリシア人の母と当時ギリシアのレフカダ(彼の姓 英語ではLafcadio)島に駐留していたイギリス軍の将校だった父との間に生まれた。幼くして母を失い英国に帰ってから父は再婚。継母とはうまくいかない。敬虔なカトリック信者だった祖母は孫の不幸を見るに忍びず、フランスのカトリック神学校の学寮にハーンを送った。ここでハーンはフランス語や難解なラテン語・ギリシア語、キリスト教神学を学んで抜群の文章力と語学を身に着けた。

しかし、人生には常に不幸が襲う。神学生の友と遊んでいた時の「大繩」の結び目が目にあたり片目を失明してしまったのだ。だから日本に今残るハーンの写真では義眼のゆえに不自然な表情に見える。

そしてイギリスへ戻り活路を求めてアメリカへ....

印刷屋の下働きから初めて新聞社へ寄稿したところ、文章を認められさらには優れたフランス語の力で社員に。芸が実を助けるとはこのことか。

そして運命のいたずらか、神のご意思か太平洋を渡り未知の国日本を英語によってアメリカに伝える一生になった。

なにかハーンの生涯のあらすじになってしまったが、一人の数奇な運命をもつ英国人の心を強く打ったものが古い日本の仏教の伝統行事「お盆」であったことに私はまた感謝したい。


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